最近、当事務所へのご相談の件数が増えている事案として、爆サイでの誹謗中傷や悪口のご相談があります。
中でもキャバクラや風俗店、ガールズバーで働くいわゆる「夜のお仕事」をされている方々が爆サイの誹謗中傷のターゲットにされてしまい、大きな被害を受けているようなのです。
爆サイは、利用者がかなり多い上にローカル色が強いため、誹謗中傷をする際にイニシャルなどで隠していても地元の人であればすぐに誰のことかわかってしまい、被害が大きくなってしまうという特徴があります。
「たかが、ネット上の悪口」と軽く考えるのは危険で、爆サイに誹謗中傷を書き込まれたことによってお客さんが離れてしまい、売り上げが落ちてお店にいられなくなりそうだというところまで追い込まれていたご依頼者の方も大勢いました。
爆サイでの誹謗中傷や嫌がらせは放置せず、出来るだけ早く対処していくことが重要です。また、爆サイでの誹謗中傷によって大きな被害を受けている場合は、犯人を特定して訴えることも視野に入れるべきでしょう。
今回は、爆サイで誹謗中傷してくる犯人を訴えるために必要なことや、匿名の犯人を特定するための流れ、訴える場合に受け取れる慰謝料金額の相場について詳しく解説していきます。爆サイでのトラブルは一人で抱え込まず、すぐに専門家に相談するようにしてください。
Contents
夜職の人たちが被害に遭いやすい爆サイでのトラブル
爆サイでは様々なネットトラブルや誹謗中傷、悪口、嫌がらせなどの被害が発生しています。特に、キャバクラ嬢やガールズバーで働く女性、風俗嬢の方はターゲットにされることが多く、同じような悩みを抱える方もいらっしゃるでしょう。
ここでは簡単にどのような事例があるのか、また、受けている嫌がらせや誹謗中傷がどのような権利侵害にあたるのかを見てみましょう。
書き込まれやすい内容や被害事例
インターネット上の掲示板は爆サイ以外にもいろいろありますが、特に爆サイでの誹謗中傷被害が多い理由としては「キャバクラ」「お水」「風俗」という風俗関係のカテゴリが設けられていることが挙げられるでしょう。
爆サイで夜職の方が巻き込まれる被害として、
・実名や住所、学校などの個人情報を書き込まれた
・勝手にプライベートな写真を公開された
・ヌード写真とのコラージュを勝手に作成されて公開された
・警察に逮捕された、ドラッグをやっているなどの書き込みをされた
・根も葉もない噂話を頻繁に書き込まれている
などがあります。このような書き込みをされることによって
・風俗やキャバクラで働いていることが家族や恋人に知られてしまう
・風俗やキャバクラで働いていることが昼職の勤務先に知られてしまう
・身元が不特定多数の人に知られてストーカー被害に遭う
・ヤリマン、ヤク中、犯罪者などという言葉によって精神的に追い詰められる
・キャバクラのお店での人間関係が悪くなる
・指名してくれる客が減り売り上げが落ちる
・売り上げが落ちたことでお店に居づらくなってしまう
などの被害を引き起こすことになってしまいます。
爆サイで誹謗中傷や嫌がらせの書き込みをされる際、実名での書き込みはあまりされませんが、源氏名や伏字での書き込みをされてしまうだけで、すぐに誰のことを言っているのか多くの人に知られてしまうというのも爆サイの特徴の一つです。
爆サイは地元密着型のインターネット掲示板で、地域ごとのスレッドなので、実名や本名を明かしていなくても個人を特定しやすくなってしまい、地域で誹謗中傷が広がってしまいやすいというのも大きな問題点と言えます。近所での悪い噂が広まるスピードが速いのと同じように、地域密着という爆サイの特徴から、噂はあっという間に広まってしまうのです。
そのため、爆サイに誹謗中傷が書き込まれたことがわかったら、早急に対処する必要があります。
爆サイで受ける権利侵害
次に、爆サイで誹謗中傷や嫌がらせの書き込みをされた場合、どのような罪に問えるのか確認しておきましょう。爆サイで見受けられる権利侵害としては
✓名誉棄損
✓侮辱
✓プライバシー侵害
✓業務妨害
があります。それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。
✓名誉棄損
「あいつは不倫している」「あいつは前に逮捕された過去がある」「あいつは枕営業で客を取っている」など、公然の場で具体的な事実を挙げて、第三者の評判を落とす可能性のある言動をとる行為を指します。
✓侮辱
「マジでブス」「キモイ」「性格悪そう」など、公然の場で具体的な事実を挙げないで第三者の評判を落とす可能性のある言動をとる行為を指します。
✓プライバシー侵害
本名や住所、昼の勤務先、通っている学校など、公共の場で公開を望んでいない個人情報や私生活の情報を暴露する行為があたります。
✓業務妨害
「キャバ嬢の●●は営業LINEと営業電話がすごいから気を付けて」「後々しつこいから指名しないほうが絶対に良い」など評判を下げる恐れのある言動をして、その者の業務を妨げる行為を指します。
これらはすべて立派な犯罪ですので、放っておくことなく適切に対処していくようにしましょう。
爆サイで誹謗中傷した犯人を訴えたい！やるべきことは何？
爆サイで誹謗中傷や嫌がらせを受けていると、それによって様々なトラブルを引き起こしてしまいます。実際、売り上げが落ちたり、家族にキャバクラで働いていることがバレてしまったり、精神的に追い詰められたりしてかなりの迷惑を被っているのではないでしょうか。
そんな嫌がらせをしてくる犯人を許せず、訴えたいと考えている方は多いはずです。実際、犯人がしている行動は法律に反する可能性も高いため、訴えて合法的に仕返しをすることも可能です。では、犯人を訴えるためにはどうすればいいのでしょうか。
匿名の犯人を特定する
犯人を訴えるためには、まず、あなたに危害を加えているのがどこの誰なのかをはっきりさせなければなりません。というのも、爆サイに限らずインターネットで誹謗中傷や嫌がらせをしてくる人物は、自分が誰であるかを隠して書き込みをしています。つまり、匿名の相手が誰であるのかを特定できなければ、訴えることができないのです。
犯人を特定するためのステップは後ほど詳しく解説していきますが、まずは相手を特定するところから始めなければいけないということを頭に入れておきましょう。
慰謝料請求をする
犯人が特定できたら、いよいよ慰謝料請求を行っていきます。慰謝料請求を正しく行うためには、法律の知識が必要不可欠なので、ご自身で行うよりも専門家である弁護士に依頼するのが確実です。
慰謝料請求するためには、犯人を特定できていることはもちろん、被害の証拠もそろえなければなりません。犯人によって爆サイに書き込まれたことでどのような被害を受けているのかという証拠集めは、調査のプロである探偵に依頼するのが安心ですね。なお、慰謝料請求でいくらくらいお金をもらえるのかという相場については後ほどお伝えしていきます。
爆サイで誹謗中傷する犯人を特定するための流れ
爆サイで嫌がらせをする犯人を訴えるためには、まず犯人が誰なのかを特定する必要があるとお伝えしました。ここでは、犯人を特定するための流れについてご説明していきます。
書き込みの証拠を保存する
まずは、誹謗中傷の書き込みがされている部分のスクリーンショットを取ったり印刷して文書として保存したりして、証拠を確保しておきましょう。
誹謗中傷の書き込みの証拠は、専門家へ相談するときや慰謝料裁判をする際などに証拠として役立ちます。また、誹謗中傷の書き込みがされているページのURLも必ず控えておいてください。
誹謗中傷の書き込みをした犯人が、訴えられるのを恐れて投稿を削除してしまう恐れもあります。もし削除されてしまっていたら、「こんな書き込みをされた！」と被害を訴えても、実際に誹謗中傷の書き込みがあったのかどうか確認することができなくなってしまいますので、法的措置での対応もできなくなります。
必ず、誹謗中傷を受けたことを証明できる書き込みの証拠を保存しておいてください。
爆サイのフォームからログの保存を依頼する
続いては、爆サイのサイトから問題のログが消えてしまうのを防ぐためにログの記録を残す申請をしていきます。ログの保存依頼はこちらの【申請ページ】から行ってください。
入力する項目に「所属機関名」や「部署名」などがありますが、個人で申請する場合は被害に遭っているご自身の名前を記入すればOKです。依頼が承認されれば、1週間程度でログの保存完了を知らせるメールが届きます。そのため、メールアドレスも間違いのないよう、正確に入力してください。
爆サイに発信者情報開示請求の書類を送る
次に、爆サイ管理会社に「発信者情報開示請求書」を送ります。その際、「本人確認書類」「被害を証明する資料」「発信者情報開示請求書に押印した印鑑の印鑑登録証明書」も同封しましょう。
発信者情報開示請求書はこちらの書式を使い記入しましょう。なお、ご自身でも記入して送付することは可能ではありますが、もし複雑すぎてわかりにくいという場合は、法律の専門家である弁護士に相談したり、被害の証拠を集めてくれる探偵に相談したりするのが安心かもしれません。
爆サイが発信者情報の開示請求申請を認めた場合、投稿者のIPアドレス等の情報が開示されます。爆サイは明らかに権利侵害の書き込みであれば、個人の申請であっても開示に応じてもらいやすいといわれていますが、もし、開示に応じてもらえない場合は弁護士に相談することも検討してください。
プロバイダに開示請求を行う
爆サイへの発信者情報開示請求が成功しても、手に入る情報としては、犯人のIPアドレスだけです。IPアドレスからはどこの地域から投稿されたのか、利用されたプロバイダはどこか、などの情報しかわかりません。
そのため、次にIPアドレスから判明したプロバイダに開示請求を行う必要があります。
図式で言うと
爆サイに開示請求をする
↓
犯人のIPアドレスがわかる
↓
IPアドレスから利用したプロバイダがわかる
↓
プロバイダに開示請求をする
↓
投稿した犯人の氏名や年齢、正確な住所、連絡先などがわかる
という流れになります。
少し・・・というかかなり面倒くさいですよね。しかもプロバイダにも個人情報を守るという守秘義務があるため、任意で開示に応じてもらえるケースはほとんどありません。基本的に、裁判で対応していく必要がありますので、個人での開示請求だとなかなか難しいのが実情です。
最終的に嫌がらせの投稿をした犯人の個人情報を開示するためには、弁護士へ依頼するか、ネットトラブル調査に強い探偵に相談し、犯人を特定してもらうことをお勧めします。
爆サイの誹謗中傷の犯人を訴える場合に注意しておくべきこと
爆サイで誹謗中傷などの嫌がらせをうけた場合の犯人を訴える流れや方法をお伝えしてきましたが、いくつか注意点がありますので、前もって確認しておきましょう。
ログの保存期間
爆サイやプロバイダに発信者情報開示請求をする場合、ログの保存期間を意識する必要があります。
特に、携帯会社などのプロバイダのログの保存期間は3か月程度とされていますので、嫌がらせを受けてからすぐに対処を始めていかなければログが消えてしまい、犯人特定が難しくなってしまう場合もあります。
爆サイに発信者情報開示請求を行いIPアドレスが開示されるまでは、大体2～3週間かかりますので、そこから速やかにプロバイダに対する訴訟を提起する必要があります。
犯人を訴えたいと考えている場合は、ログの保存期間についても意識しておきましょう。なお、発信者情報開示請求ができなくなってしまった場合も、ネット調査に強い探偵であれば、あらゆる方法を使って犯人を探し出すことができる場合もありますので、もしログの保存期間が過ぎてしまった場合も諦めずまずは相談してみることをお勧めします。
削除は証拠を保全してから
爆サイに誹謗中傷や悪口の書き込みがされたままだと、より多くの人たちに見られてしまう可能性があるので、早く削除してしまいたい気持ちになると思いますが、削除する前に必ず証拠を保存するのを忘れないようにしてください。
先ほどもお伝えしましたが、誹謗中傷を証明できる証拠がなければ、弁護士などの専門家も動けませんし、慰謝料請求の裁判の証拠もなくなってしまいます。
削除は焦らず、必要な証拠保全を行ってからにしてください。なお、爆サイでの書き込みの削除方法についてはこちらの【爆サイの悪口を削除したい！削除依頼方法のまとめとテンプレ・例文】を参考にしてください。
爆サイに書き込まれた誹謗中傷に対して取れる慰謝料金額の相場
爆サイで誹謗中傷の嫌がらせをしてくる犯人を訴えるとなると、やはり気になるのが「慰謝料はいくらもらえるのか」ということでしょう。
爆サイでの書き込みを訴え、犯人に対して請求できる慰謝料相場は
・被害者が一般人の場合：10万円～50万円程度
・事業者の被害の場合：50万円～100万円程度
・ヌード写真が公開されたなどの特殊事情がある場合：数百万円
となっています。
慰謝料の金額は、被害状況や書き込みの悪質性によって変化しますので、より高額な慰謝料を請求したい場合は事前に探偵に調査を依頼してしっかりと証拠を集めておき、請求する手続きも弁護士に相談しながら進めていくのが良いでしょう。
なお、爆サイ被害での慰謝料についてはこちらの【キャバ嬢の爆サイ被害が急増！誹謗中傷被害で慰謝料はいくらもらえる？】でより詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、爆サイに誹謗中傷や悪口を書かれてしまった場合の犯人の訴え方や犯人を特定するための流れについて解説してきました。
爆サイでは規約違反の書き込みに比較的柔軟に対応してくれるので、爆サイからの情報開示は比較的スムーズに行くと思いますが、プロバイダに個人情報の開示請求をするのはなかなか素人では難しいため、弁護士の力を借りる必要が出てくるでしょう。
また、ネットトラブル調査に強い探偵も頼りになりますので、爆サイでの嫌がらせに困ったら、まずは弁護士事務所や探偵事務所の無料相談などを活用して具体的なアドバイス受けると良いでしょう。
