爆サイに誹謗中傷の投稿をするのは有罪?どんな責任が発生するか解説

爆サイは地域ごとにスレッドを立てることができ、地域密着型の掲示板サービスとして有名で、多くの利用者を抱えているネット掲示板です。

 

地域密着型のネット掲示板のため、その地域での有名人やお店、サービスについての投稿が多くされています。

 

地元のことについての情報がたくさん手に入るため、上手に利用すれば掲示板としての利便性は高いのですが、ローカル色が強いために仮にイニシャルなどでごまかして投稿していてもそこに住んでいる人が見れば、どこの誰のことが書かれているのか簡単に予測できてしまい、仮に誹謗中傷の投稿がされてしまうとトラブルが大きくなってしまうという点が問題となっています。

 

爆サイでの誹謗中傷を放置すると、周囲に自分の根も葉もない悪い噂が広まってしまったり、職場や学校での生活に支障が出てしまったり、お店の売り上げが落ちてしまったりなどの被害が発生する可能性があります。

 

また、匿名で投稿できるからと安心して爆サイにいろいろなことを書き込んでいると、それが名誉毀損や業務妨害として訴えられ、罪に問われる可能性もあることを認識できていない人が多いのも問題でしょう。

 

今回は、爆サイに誹謗中傷の投稿をしたらどのような罪に問われる可能性があるのか、爆サイで有罪になりうる誹謗中傷をされた、もしくは誹謗中傷をしてしまった場合、どのように対応していくのが良いのかについて詳しく解説していきます。

 

Contents

爆サイで誹謗中傷したら有罪になる?

爆サイで誹謗中傷の投稿をされた被害者の方も、誹謗中傷の投稿をしてしまった加害者の方も、「爆サイで誹謗中傷したら有罪になるのか?」というところはとても気になるでしょう。

 

結論から言えば、爆サイに投稿した内容によっては、有罪になり法的責任を追及できるOR追及される可能性が出てきます。

 

法的責任というのは、より詳しく言えば、刑事罰もしくは民事罰のことです。

 

刑事罰は具体的には「名誉毀損罪」「脅迫罪」などのことで、逮捕されて起訴され、有罪になれば前科がつきます。

 

民事罰は刑事罰ではないので逮捕されるというわけではありませんが、損害賠償請求や慰謝料請求などの責任が追及されてお金を支払うことが命じられます。

 

いずれにしても、法律で裁かれるという点では同じですし、どちらにしても重い責任を追及されるということなので、匿名だからといって気軽に誹謗中傷の書き込みをすることがいかに危険な行為かということがおわかりいただけるかと思います。

 

爆サイでの誹謗中傷で問われる可能性のある刑事責任

上記で爆サイでの誹謗中傷は刑事責任と民事責任が追及される可能性があるとお伝えしましたが、ここでは刑事責任についてより詳しく見ていきたいと思います。

 

名誉毀損罪

名誉毀損罪は公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立します。ここで言う事実は真実か嘘かは問われません。真実であっても嘘であっても成立しうる罪です。

 

「公然と」というのは不特定多数の人が知ることができる状態のことを指しますので、爆サイを始めネット掲示板やSNSなどに誹謗中傷を書き込むことは、「公然性」の要件を満たしています。

 

また、「事実の摘示」については、具体的事実を指摘し表示することを指しています。「●●は社内不倫をしている」「●●は違法ドラッグを長年使っている」などと書き込むことが「事実の摘示」に該当します。

 

「人の名誉を毀損」についてですが、名誉とは人の社会的評価に関するものですので、社会的評価には全く関係のない事実を公然と摘示したとしても名誉毀損罪は成立しません。たとえば、「●●は最近犬を飼いだした」などと書き込んでも名誉毀損罪にはなりません。

 

なお、名誉毀損罪が成立するかどうかは、実際に社会的評価が低下したかどうかは関係なく、爆サイへの書き込みが結果的に社会的評価の低下につながらなかったとしても、社会的評価が低下する危険性がある書き込みをした時点で名誉毀損罪は成立します。

 

名誉毀損罪の法定刑は、3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金です。

 

侮辱罪

事実を摘示せずに、公然と人を侮辱した場合は侮辱罪が成立する可能性があります。

 

「事実の摘示がない」というのは具体的に「ブス」「バカ」「キモイ」など抽象的で個人の主観的な悪口で、その内容が嘘か本当か客観的に確認できない内容を書き込んだ場合に侮辱罪が成立します。

 

一方で「●●はIQが50しかない無能な男だ」などと書き込むのは事実の摘示があると判断されるため侮辱罪ではなく名誉毀損罪にあたります。

 

侮辱罪の法定刑は1年以下の懲役もしくは禁固もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。

 

なお、今まで侮辱罪の法定刑は「拘留または科料」のみでとても軽い罰でしたが、近年の誹謗中傷の書き込みによる被害が社会問題化していることなどを受けて、2022年6月に侮辱罪の法定刑に関する改正刑法が成立し、2022年7月7日から施行されることになったのです。

 

脅迫罪

誹謗中傷の書き込みの内容によっては、脅迫罪が成立する可能性もあります。脅迫罪は生命、身体、自由、名誉または財産に対して害を加えると告知して人を脅迫した場合に成立します。

 

爆サイに「●月●日に〇〇を殺してやる」「家に火をつけてやる」「〇〇の子供を誘拐してやる」などと書き込めば脅迫罪が成立する可能性があります。

 

脅迫罪の法定刑は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

 

信用毀損罪と偽計業務妨害罪

虚偽の風説を広く通知し、または偽計を用いて人の信用を毀損し、またはその業務を妨害した場合、信用毀損罪または偽計業務妨害罪が成立します。

 

信用毀損罪も偽計業務妨害罪も、いずれもウソの情報やうわさを流したり、人をだましたり惑わせたりすることによって成立する点が同じです。

 

嘘やうわさを流したり人をだましたりまどわせたりすることで人の信用を毀損した場合には「信用毀損罪」が成立し、人の業務を妨害した場合には「業務妨害罪」が成立します。

 

法定刑は、信用毀損罪も偽計業務妨害罪もどちらも3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

爆サイでの誹謗中傷で問われる可能性のある民事責任

ここまでは、爆サイに誹謗中傷の書き込みをした場合に考えられる刑事責任について見てきましたが、民事責任としてはどのような責任が考えられるのでしょうか。

 

この章で、問われる可能性のある民事上の責任について詳しく見ていきましょう。

 

プライバシー侵害

爆サイに個人情報が勝手に書かれてしまった場合には、プライバシー侵害の責任が発生する可能性が出てきます。

 

電話番号や住所、出身学校、勤務先、マイナンバー、既往歴、犯歴などは、個人が他人に知られたくない情報として法的な保護を受けます。これらが無断で公開されると、それが悪用され詐欺被害などの犯罪に巻き込まれる可能性も出てきますので、甘く考えるのはとても危険です。

 

特に、爆サイなどのネット掲示板に個人情報が晒されてしまうと、その情報はすぐに拡散されて完全に削除することが難しくなりますので、罪としては重くなります。

 

名誉権侵害

爆サイに名前やイニシャルを書き込まれて「不倫している」「前科がある」などと書き込まれた場合、社会的評価が貶められる危険があります。

 

このような場合、先ほどお伝えした刑事責任としての名誉毀損罪に該当する可能性もありますが、民事上の名誉権侵害として訴えることも可能です。

 

相手に刑事罰を与えたい、前科をつけさせたい、というより損害賠償請求でお金を請求したいという場合は、民事責任としての名誉権侵害で訴える方法もあります。

 

肖像権侵害

爆サイでは基本的に写真を直接アップする機能はついていませんが(別のアップローダーに写真をアップしてURLを貼るなどは可能)インスタグラムやYouTubeなどでは無断で自分の顔が晒されてしまったというトラブルは考えられますよね。

 

そのような場合、肖像権侵害で訴えることも可能です。

 

肖像権侵害については、被害者になるという面以外に、自分が加害者になってしまう危険性が高いという点で意識を強めておくことが重要と言えるかもしれません。インスタグラムはスマホで撮った写真を簡単な操作でアップロードすることができるため若者を中心に多くの人が利用しています。嫌がらせや攻撃目的というわけでなくても、「これくらい大丈夫だろう」と軽い気持ちで知人や友人の顔画像を無許可で掲載している例も多く見られ、後に大きなトラブルに発展する可能性もあるのです。

 

肖像権侵害でご自身が訴えられないためにも、自分以外が映っている写真や動画をアップする際は注意しなければならないでしょう。

 

慰謝料請求についても

爆サイの誹謗中傷の投稿が民事上の責任を発生する場合、慰謝料請求という方法で加害者を訴えることも可能です。

 

金額は被害内容や状況によっても異なりますが、爆サイに誹謗中傷を書き込まれた場合の慰謝料の目安としては、

 

✓個人に対する名誉毀損の場合:10万円~50万円

✓法人に対する名誉毀損の場合:50万円~100万円

✓侮辱している場合:1万円~10万円

✓プライバシー侵害の場合:10万円~50万円

です。

 

なお、刑事告訴して犯人に刑事責任を追及する場合も民事責任を追及して慰謝料請求する場合も、爆サイに誹謗中傷を書き込んだ犯人が誰なのか特定する必要があります。それについては発信者情報開示請求という手続きが必要になります。

 

発信者情報開示請求についてはこちらの【爆サイの犯人に法的制裁を!爆サイに書き込みをした犯人を特定する方法】の記事も参考にしてみてください。

 

爆サイで有罪になりうる誹謗中傷へどのように対応すればいいのか

ここまでで、爆サイに書き込んだ誹謗中傷の内容によっては刑事罰や民事罰が科せられる可能性があることはおわかりいただけたかと思います。

 

では、もし本当に爆サイ上で有罪になるような誹謗中傷をされたらどのように対応するのが正しいのでしょうか。

 

ここでは、誹謗中傷の被害者になった場合と加害者になった場合でわけて考えていきます。

 

爆サイで誹謗中傷された被害者の場合

爆サイで自分や家族に対する誹謗中傷の書き込みをされた被害者の場合、素早く誹謗中傷の証拠を残すと同時に、刑事告訴や民事訴訟を検討して準備を進めていくことが大切で、それと並行してこれ以上誹謗中傷による被害が大きくならないよう、誹謗中傷の書き込みを削除する手続きを行わなければなりません。

 

誹謗中傷を受けたことに対して刑事告訴したり損害賠償請求をしたりする場合、誹謗中傷の証拠が必要になりますので、爆サイの投稿をスクリーンショットとして保存しておくようにしましょう。

 

誹謗中傷の投稿の証拠をスクリーンショットなどで保存できたら、これ以上被害が大きくならないよう、爆サイの運営側に投稿の削除依頼をしていきます。削除依頼に関しては、こちらの【爆サイのスレッドを自分で消す方法|根本的な解決は専門家に相談!】や【爆サイの削除依頼は自分でできる!誹謗中傷トラブルを解決する方法とは】の記事を参考にしてみてください。

 

なお、法的措置を取る場合は、誹謗中傷の投稿をしたのがどこの誰なのか特定する必要がありますので、その際は、調査のプロである探偵に特定調査を依頼するか、弁護士に依頼して手続きを代行してもらうのが良いでしょう。

 

損害賠償請求など法的手続きが多くなるような民事訴訟を行う際は、弁護士に依頼したほうがスムーズです。

 

爆サイに誹謗中傷を書き込んだ加害者の場合

爆サイに様々な投稿をしている中で「この投稿はまずかったかも」と感じることもあるでしょう。そのような投稿をしてしまった場合、後々被害者の方が見つけて刑事告訴や民事訴訟をする原因となりえますので、問題になりそうな投稿に気が付くことができたら、なるべく早い段階で自分の投稿を削除するのが安全でしょう。

 

投稿してすぐのタイミングであれば、閲覧している人の数もそこまでいないですし、被害者が受ける被害も少なく済みますので、結果的に問題を大きくせずに対処することができます。

 

もし、被害者の方があなたの投稿によって大きな被害を受けてしまったような場合は、刑事告訴されたり損害賠償請求をしてきたりする可能性がありますが、その場合は、被害者と示談交渉をして謝罪の場を持ち、示談金を支払うことで告訴を取り下げてもらったり、損害賠償請求された額よりも少額で納得してもらえれば、支払うお金も少なく済ませられます。

 

その際、弁護士に示談交渉を依頼するというのも一つの方法ですが、弁護士に依頼すると弁護士費用がかなりかさんでしまいますので、少し時間に余裕があるようでしたら、ご自身で交渉のテクニックを身に付けて自分で直接被害者の方と交渉し、示談を進めていくという方法も可能です。

 

参考サイト:問題解決のための交渉コンサルティング

 

まとめ

爆サイに書き込まれた、もしくは書き込んでしまった誹謗中傷の投稿はそのまま放置してしまうと取り返しがつかない事件に発展する可能性もありますので、早めの対処が重要といえます。

 

爆サイに誹謗中傷の投稿をしてしまった加害者の場合は、刑事告訴や民事訴訟をされてご自身の今後の人生に大きな影響を与えかねませんし、誹謗中傷の書き込みをされた被害者の場合、周りに根も葉もない悪評をばら撒かれて私生活に悪影響をもたらす可能性もあります。

 

いずれの場合も、ネットトラブル調査に精通している専門家に相談することで、事を大きくする前に解決できる可能性がありますので、一人で抱え込む前にぜひご相談ください。