
最近、キャバクラ嬢やホスト、風俗嬢など、いわゆる夜のお仕事をしている方々から
「爆サイで誹謗中傷を受けて困っています」
「爆サイの誹謗中傷のせいでお客さんが離れてしまい、売り上げも落ちてしまいました」
などと切実なご相談を受けることが多くなってきました。
爆サイとは、インターネット掲示板の一つですが、地元密着の話題が多く、ローカル色が強いため、その地域に住んでいる人からするとすぐに誰についてのことが書かれているのかわかってしまい、誹謗中傷による被害が深刻になってしまいます。
爆サイで誹謗中傷や嫌がらせを受けた夜職の方の中には、爆サイに書き込まれたせいで、お客さんが減ってしまい売り上げが落ちた、お店から迷惑だと言われて居づらくなってしまった、家族にキャバクラで働いていることがバレてしまった、など様々な被害を受けて悩んでいる方も多いでしょう。
インターネット上での誹謗中傷は加害者の顔が見えないためかなり陰湿ですし、誹謗中傷の内容によっては刑事罰にも該当する犯罪行為です。ひとりで抱え込み、泣き寝入りする必要はありません。
犯人に対してきっちりと慰謝料を請求し、相応の責任を取ってもらいましょう。
今回は、爆サイで受けた誹謗中傷に対していくらくらいの慰謝料が請求できるのか、相場は何で決まってくるのか、そして実際に慰謝料を請求するとなったらどのような流れになるのか、詳しく解説していきます。一人で悩まず、一緒に問題を解決していきましょう。
Contents
爆サイで受けた誹謗中傷に対する慰謝料の相場
それでは早速、爆サイで書き込まれた誹謗中傷の投稿に対しての慰謝料について相場や金額を決める要素などについて確認していきましょう。
そもそも慰謝料とは
何かトラブルがあった際に「慰謝料を請求してやる!!」という言葉を発しているのを耳にしたことがある方も多いと思いますが、そもそも慰謝料とは何のお金なのでしょう。
慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償金のことを指していて、インターネット上などの名誉毀損以外にも交通事故で被害を受けたことに対する慰謝料や、浮気された際に受け取る慰謝料、嫌がらせ行為をされたことに対する慰謝料などがあります。
慰謝料は、精神的苦痛を金額に置き換えて支払ってもらうという性質のものなので、非常にデリケートです。そのため、慰謝料金額には目安となる相場の金額がありますし、請求する際には精神的苦痛を受けたことを証明するための証拠や、被害の深刻さを訴えるための証拠が必要となります。
爆サイで受けた誹謗中傷で請求できる慰謝料の相場
先ほど、慰謝料には目安となる相場金額があるとお伝えしましたが、爆サイで誹謗中傷を受けた場合、いくらくらいの慰謝料が請求できるのでしょうか。
慰謝料金額の相場は、誹謗中傷の内容がどの罪に該当するのかによって変わってきます。
☆名誉毀損による慰謝料金額の相場
名誉毀損による慰謝料金額は、一般人の場合で10~50万円、事業主が名誉毀損を受けた場合は50~100万円が相場となっています。
名誉棄損とは、「公然と事実を摘示することによって、人の社会的評価を低下させるおそれのある状態を生じさせたこと」をいいます。
ここでいう「事実」は真実かウソかは関係なく、書き込まれた内容が仮に真実であったとしても爆サイなど不特定多数の人が見ることのできる場で書き込んだとしたら名誉棄損にあたります。
具体的には、「●●店で働いているキャバ嬢のAは枕営業をして成績を稼いでいる」「●●店のBは長年ドラッグにハマっていて稼いだ金をドラッグにつぎ込んでいる」などと書き込んだ場合、名誉棄損に値します。
書き込まれた内容の真実性は問われないとお伝えしましたが、誹謗中傷の内容が虚偽の場合は、慰謝料の金額がさらに高くなる傾向にあります。
☆侮辱による慰謝料金額の相場
誹謗中傷の内容が、侮辱に該当する場合、慰謝料金額の相場は、1~10万円です。
侮辱罪とは、「事実を摘示せずに、公然と人を侮辱すること」をいいます。名誉毀損との違いとしては、「具体的な事実を示さずに誹謗中傷」するという点です。
具体的には「ブス」「気持ち悪い」「クズ」など具体的な内容を指摘せずに誹謗中傷している場合は侮辱罪にあたります。
なお、誹謗中傷を受けている期間が長かったり頻度が多かったり、また、内容の悪質性が強かったりする場合は、被害の程度によって10万円以上の慰謝料を請求できる可能性がありますので、できるだけ細かく証拠を残しておくことが大切です。
☆プライバシー侵害による慰謝料金額の相場
プライバシーの侵害の場合、慰謝料金額の相場は10~50万円です。爆サイに公開された情報や被害状況によって金額が増減します。
プライバシー侵害とは、様々な意味に用いられるワードですが、ここでは「私生活をみだりに公開されないという法的保障や権利」と考えてください。
例えば、自分の住所や連絡先などの個人情報や、誰と付き合っているのか、どこの学校出身だったのか、休みの日は何をして過ごしているのかなどの私生活上の様子を勝手に不特定多数の人に知られるのは嫌ですよね。
このような個人に関わる情報を爆サイなどでみだりに公開すると、プライバシー侵害にあたる可能性が高くなります。
なお、盗撮した写真を勝手に載せたり、ヌード写真を投稿したりする場合もプライバシーの侵害に該当します。プライバシー権侵害の慰謝料は、投稿された内容がどれだけ人に知られたくない情報だったかによって金額が大きく変わってきますので、ヌード写真を公開されたような場合、100万円以上の慰謝料が認められるケースもあります。
慰謝料金額の相場を決める要素
誹謗中傷の内容がどの罪に値するのかによって慰謝料の金額は決まってきますが、他にも慰謝料の相場金額を考える上で、以下のような要素も視野に入れておくと自分に置き換えた時にわかりやすいでしょう。
✓被害者の年齢・職業・経歴・社会的立場
✓被害の程度・影響する範囲
✓名誉毀損の方法や悪質性
✓加害者の動機
✓回復措置
これらの要素によって慰謝料の金額が決まっていきます。先ほども触れましたが、被害者が一般人の場合、慰謝料の相場は大体10万円~50万円で、事業者が被害者の場合は50万円~100万円になります。
夜職のケースで考えると、キャバクラ嬢個人として訴える場合は一般個人になりますので10万円~50万円、キャバクラのお店は事業者なので事業者として訴える場合は50万円~100万円の慰謝料請求ができるということです。
そのため、もしあなた個人で訴えを起こすのが難しそうな場合は、お店のオーナーに相談して事業者として慰謝料請求を考えてもいいかもしれませんね。
爆サイでの誹謗中傷の慰謝料金額が高額になるケース
爆サイに誹謗中傷を書き込まれた際のおおよその慰謝料金額の相場を見てきましたが、相場金額よりも高額な慰謝料を請求できる場合もあるのでしょうか。また、どのような場合に高額になるのでしょう。
慰謝料の金額は被害状況に応じて増額していきますので、自分のケースではいくらくらいになるのかについては、ネットトラブルに強い弁護士に相談するのが一番確実です。
高額になるケースとしては、有名人が被害に遭うケースや、影響力のある人が加害者になるケースでは慰謝料が高額になりやすいです。また、被害の内容や誹謗中傷によって被った被害の深刻度合いによっても慰謝料金額が高額になります。
また、一般の方であれば裁判ではなく当事者間の話し合いによる示談という手法を取った方が高額になる可能性がありますので、より高額な慰謝料を請求したい場合は、被害の証拠を集めたうえで弁護士に相談するのが良いでしょう。
示談金には上限がなく合意によって金額を決められるため、被害の証拠を武器に弁護士を通した示談交渉を行えば、相場以上の慰謝料を獲得できるケースもありえます。
実際に高額な慰謝料請求に成功した事例
夜職の方がネットで誹謗中傷を受けたケースで、過去に200万円以上の慰謝料(和解金)を獲得した事例があります。ナイトワークをしている被害者の職業を馬鹿にしたり、名誉を傷つけたりする内容をネット上に繰り返し投稿したことに対して慰謝料請求した事例です。
被害者の女性はネットに書き込まれた誹謗中傷によって精神的に相当なダメージを受けたことと、投稿によって仕事に大きな悪影響が出たことを理由に慰謝料請求を決意し、ネット調査に強い探偵により誹謗中傷を書き込んだ発信者を特定しました。
そして、弁護士が仲介に入り、特定した犯人から200万円以上の和解金を受け、二度と同様の嫌がらせ行為をしない旨の誓約を締結し、解決に至りました。
爆サイの誹謗中傷に対して慰謝料請求をする場合の流れ
爆サイで誹謗中傷の被害を受けた時、どのような手順で慰謝料請求をしていけばいいのでしょうか。
ここでは、具体的な慰謝料請求の流れについて見ていきましょう。
誹謗中傷にあたる投稿の証拠保全
爆サイで受けた誹謗中傷に対して慰謝料請求をする場合、最も大切なことは証拠を残しておくことです。
ネット上はログが残りやすいとはいえ、相手が訴えられるのを恐れて逃げようとして、爆サイでの書き込みを削除した場合、ご自身だけで見つけるのは難しくなります。
そのため、誹謗中傷にあたる書き込みはその画面をプリントアウトしたりスクリーンショットとして残しておいたりして証拠としてしっかりと保管しておきましょう。
また、もしすでに誹謗中傷の投稿が犯人によって削除されてしまっていた場合でも、ネット調査に強い探偵であれば他の証拠を探し出して慰謝料請求につなげることも可能な場合がありますので、諦める前に一度相談してみるのもお勧めです。
爆サイ管理者に該当する投稿の削除依頼
慰謝料請求するための誹謗中傷の証拠保全が完了したら、書き込みがされている爆サイの管理者に対して削除依頼をしましょう。
なぜなら、あなたに関する誹謗中傷の書き込みを削除してもらわなければ、より多くの方たちにその内容が見られてしまい、今以上に被害が拡大してしまう恐れがあるからです。
爆サイに書き込まれた投稿の削除依頼の方法については、こちらの【爆サイの悪口を削除したい!削除依頼方法のまとめとテンプレ・例文】の記事でより詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
誹謗中傷を投稿した犯人の特定
爆サイを含め、インターネット上での誹謗中傷の書き込みは匿名で行われることがほとんどです。匿名で、一見誰が投稿しているかわからないからこそ、大胆な誹謗中傷ができるのだと思いますが、慰謝料請求する際に犯人がわからないというのは極めて厄介です。
匿名で書き込まれているため、素人ではなかなか誹謗中傷を書き込んだ犯人の特定が難しくなってしまいます。
犯人を特定するためには、書き込みがされた爆サイの管理者にプロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」をして、IPアドレスやタイムスタンプといった個人情報を提供してもらうことで、個人を特定していくのですが、この手続きはかなり煩雑になってしまいますので、できれば弁護士など法律に精通している専門家に依頼するのが良いでしょう。
参考記事:爆サイのトラブルで警察は動く?誹謗中傷の犯人は開示請求で特定しよう
もしくは、SNSトラブルやネットトラブル調査に強い探偵に依頼することで、爆サイ以外のTwitterやInstagram、他のインターネット掲示板など様々なサイトに残された手掛かりから犯人を特定する調査を依頼することも可能です。
慰謝料請求の訴訟や示談交渉
誹謗中傷の書き込みをした犯人が特定できたら、精神的苦痛に対する慰謝料請求のための訴訟を起こすステップに入ります。訴訟で勝った場合は精神的苦痛に対する慰謝料が支払われるだけでなく、謝罪文の交付なども命じられることも多いです。
訴訟となると、素人だけではかなり難しくなりますので、弁護士に代理人を依頼するのがベストでしょう。
また、相手が任意で交渉に応じるのであれば示談で和解するという方法もあります。先ほど、慰謝料が高額になるケースについてお伝えした際も、示談で和解したほうが有利だとご説明しましたが、より高額な慰謝料を請求したい場合も示談での交渉を考えたほうがいいでしょう。
訴訟は時間もコストもかかるため、示談で解決を図りたい場合は「内容証明郵便」で慰謝料の請求書を相手に送るところから始めます。
なお、示談金をいくらにして交渉するかについては、これまでの相場金額を目安にするか、弁護士に相談しながら決めていくのが安心ですね。相手との交渉についても、交渉のプロに相談するか、法律のプロである弁護士にお任せすると良いでしょう。
まとめ
今回は、爆サイで誹謗中傷を受けた際の慰謝料請求の流れや、慰謝料金額の相場について見てきました。
インターネットやSNSが普及したことに伴ってネット上で誹謗中傷する被害は増えていましたが、最近は特にキャバクラ嬢やホストなどのナイトワークの方々が爆サイに誹謗中傷を書き込まれて悪影響を受けるケースが急増しています。
一度ネット上で誹謗中傷を受けてしまうと、精神的にも大きなダメージを受けてしまいますし、仕事にも大きな被害が出てしまうでしょう。場合によっては回復が困難になることもあります。
もし今現在、爆サイに誹謗中傷を書き込まれるなどの被害を受けているのであれば、迷わずすぐに専門家にご相談ください。一人で抱え込まず、一緒に問題を解決していきましょう。