爆サイへの情報開示請求は難しい?開示請求の手順とポイント

インターネットの掲示板は匿名で書き込みをできるため、誹謗中傷の書き込みやプライバシー侵害の被害に遭ってしまう人は後を絶ちません。

 

中でも「爆サイ」というサイトは地域のコミュニティーに特化したネット掲示板で、北海道から沖縄まで日本全国それぞれの地域の掲示板が開設されていて、ローカル色が強いという特徴があります。ローカル色が強いからこそ、爆サイに誹謗中傷や悪口を書かれてしまうと、たとえイニシャルや源氏名で書かれていても、すぐに誰のことを言っているのかが爆サイのユーザーにわかってしまうため、被害が深刻になっているのです。

 

爆サイに誹謗中傷の書き込みをされたり、個人情報をさらされてプライバシーを侵害されたりした人は、犯人が誰なのか特定して訴えてやりたいと考えている方も多いでしょう。

 

爆サイに書き込みをした犯人を特定するための方法として、「開示請求」という手続きがあります。開示請求によって犯人が特定できれば、慰謝料請求などの法的措置を取ることも可能になりますので、被害者の方の気持ちも落ち着くことができるかもしれません。

 

今回は、爆サイで誹謗中傷やプライバシー侵害を受けた時に行う開示請求について、その手順や開示請求を行う際に知っておくべきポイント、そして開示請求が上手くいかずに犯人が特定できなかった場合の最終手段についてお伝えしていきたいと思います。

 

匿名の犯人だからと諦める前に、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、陰湿な嫌がらせに立ち向かっていってください。

 

Contents

爆サイでの誹謗中傷の書き込みの開示請求を行う手順

いきなりですが、まずは爆サイで誹謗中傷やプライバシー侵害の書き込みをされた際に情報開示請求を行う手順について確認していきましょう。

 

大まかな流れとしては、爆サイの運営元に該当する書き込みを行った人物のIPアドレスの開示を求め、そのあとに開示されたIPアドレスをもとにプロバイダを特定し、プロバイダに対して、誹謗中傷などの投稿を行った人物の氏名や住所などの個人情報の開示を求める流れになります。それではより具体的に流れを見ていきます。

 

爆サイに対して発信者情報開示請求を行う

まずは爆サイの運営会社に対して、IPアドレスとタイムスタンプの開示を求めるところから始めます。

 

爆サイなどのインターネット掲示板の運営元は、そのサイトに書き込みを行った人物に関する情報としてはIPアドレスとタイムスタンプしかなく、投稿している人物の氏名や住所、電話番号などの個人情報については把握していないのです。

 

投稿の内容に権利侵害があれば、基本的には爆サイ側はIPアドレスの開示に応じる可能性が高いですが、権利侵害についての根拠を示せなかった場合や、権利侵害かどうかの判断が難しく開示に応じられなかった場合などは、裁判所の命令を得て強制的に開示させる方向にしなければなりません。

 

その場合は、裁判所に対して爆サイ運営元を相手方として、IPアドレスの開示を求めるための発信者情報開示の仮処分を申し立てることになります。この手続きになってしまうと、素人の方が個人で行うのには限界がありますので、弁護士などの法律の専門家に相談しながら進めるのが得策と言えるでしょう。

 

爆サイから開示されたIPアドレスからプロバイダを特定する

爆サイからIPアドレスの開示を受けたら、次にそのIPアドレスをもとに問題となっている投稿をした人物が利用しているプロバイダを特定します。プロバイダは、ドコモ、ソフトバンク、NTTコミュニケーションなどの通信回線を管理する会社のことです。

 

爆サイから開示されたIPアドレスから、投稿の犯人がどのプロバイダを利用して投稿したかということが分かります。

 

IPアドレスからプロバイダを特定するためには【IP SEARCH】などの検索サービスを利用すれば調べることができます。

 

プロバイダへ発信者情報開示請求とログの保存を申請する

IPアドレスからプロバイダが特定できたら、そのプロバイダ事業者に対して、IPアドレスの保有者である犯人の氏名や住所などの個人情報の開示を求めます。

 

爆サイは比較的IPアドレスの開示に応じてくれますが、プロバイダ事業者は基本的に任意での発信者情報の開示に応じることは少ないです。そのため、裁判所を通して手続きを行うことになるでしょう。

 

裁判でプロバイダと情報開示について争うことになると、情報を開示してもらうまでに時間がかかる可能性が高いため、裁判への対応と一緒にIPアドレスの保有者がサイトにアクセスした記録(ログ)の保存も請求しておいたほうが安全です。

 

なお、プロバイダが裁判で争ってくることが多いポイントとして、

・投稿の内容が個人を特定できるものではない

・投稿の内容は名誉毀損などの権利侵害にあたらない

という点です。

 

裁判では、最終的には裁判所が以上の点について判断することになりますので、裁判で被害を認められるように被害に遭ったという証拠や権利侵害にあたるという証拠を集めておくことが裁判に勝つうえで重要です。

 

証拠の収集に関しては、個人では難しいことが多いので、調査の専門家である探偵に依頼するのがお勧めです。

 

プロバイダから発信者の個人情報の開示をもらう

裁判でこちら側の要求が認められ、裁判所がプロバイダに対して発信者情報の開示命令を出すと、IPアドレスをもとに発信者の氏名や住所、メールアドレスなどの個人情報の開示を受けることができます。

 

以上の手続きをすることで、ようやく問題の投稿をした犯人が誰なのかの特定をできるようになります。犯人を特定できれば、慰謝料請求や刑事告訴、謝罪などの対応を求めることができるようになります。

 

爆サイへの開示請求は難しい?開示請求を行う際に知っておくべきポイント

ここまでで、爆サイに開示請求を行って犯人を特定するまでの流れを見てきましたが、「難しそう・・・」と感じた方も多いのではないでしょうか。

 

確かに、開示請求の流れを初めて見ると、複雑そうに感じますが、ポイントを押さえていけばしっかりと犯人にたどり着くことができます。ここでは、開示請求をする際に知っておきたいポイントについてご紹介していきます。

 

爆サイへの開示請求はそれほど難しくない

爆サイへの開示請求は難しいかというと、爆サイに対しての請求はそれほど難しくはないでしょう。

 

爆サイが管理している発信者情報は、発信者のIPアドレスとタイムスタンプですが、基本的には爆サイ側は誹謗中傷などの権利侵害が認められればIPアドレスの開示に応じてくれやすいです。

 

問題となるのは、プロバイダに対しての情報開示請求でしょう。裁判になる可能性が高いため、ご自身で行うと難しい可能性が高いですが、弁護士など法律のプロに相談すれば、問題なく開示請求を行うことができます。また、ネットトラブル調査に強い探偵に依頼すれば、権利侵害の証拠や被害の証拠を集めてくれますので、裁判でもこちらの要求が認められやすくなります。

 

不安な場合は、はじめから弁護士や探偵に依頼しておくのが得策と言えるでしょう。

 

爆サイへの開示請求から犯人特定までにかかる期間

開示請求をしてから犯人特定までにかかる期間はケースにもよりますが、目安として1ヵ月半から3ヵ月程度と考えておいたほうがいいでしょう。

 

開示請求に必要な各書類などを準備しなければなりませんし、爆サイへの開示請求とプロバイダに対しての開示請求を行わなければならないため、どうしてもある程度の期間がかかってしまいます。権利侵害を証明するのが難しい場合などは、それ以上の期間を要することもあります。

 

時間がかかりすぎてしまうと、爆サイやプロバイダのログの保存期間が過ぎてしまって、開示請求ができなくなる場合もありますので、誹謗中傷などの被害を受けたらできるだけ早く犯人特定に向けて動き出すことが重要です。

 

プロバイダにはアクセスログの保存期間がある

爆サイに開示してもらったIPアドレスからプロバイダを特定できたら、そのプロバイダに対して発信者情報開示請求を行いますが、その際、アクセスログの保存期間に注意する必要があります。

 

アクセスログとは、爆サイに投稿した人が、いつ、どこから、なんのデバイスを用いて、サイトにアクセスし、どのような書き込みを行ったかという情報でプロバイダが保管しています。


そして、このアクセスログの保存期間は通常3か月程度とされています。つまり、3か月以上経ってしまうと、誹謗中傷やプライバシー侵害に該当するような爆サイの書き込みに関する情報が消えてしまう危険性があるということです。

 

このようなリスクを回避するために、プロバイダに対して発信者情報開示請求とともにアクセスログの保存も請求することを忘れずに行いましょう。

 

開示請求が難しいケース

発信者情報開示請求の手続きそのものに関しては、知識があれば問題なく行えますし、難しいと感じた場合も法律の専門家に相談して行えばスムーズに対処していけるでしょう。

 

問題は、手続きが問題なく行えたとしても爆サイやプロバイダが開示請求に応じてくれるかどうかという点です。

 

基本的には発信者を特定したい投稿の内容が権利侵害に当たると判断してもらえれば、IPアドレスなどの情報開示には応じてくれますが、どんな開示請求にも応じてくれるわけではなく、開示請求に応じてもらうためにはそれ相応の理由が必要です。

 

投稿内容が権利侵害に該当していることを示すことができるための根拠や証拠がないと感じる場合は、開示請求を行う前にネットトラブル調査に強い探偵に相談してみるのが良いでしょう。

 

警察への依頼は事件性がなければ難しい

誹謗中傷やプライバシー侵害で犯人を訴えたいと考えた時、警察に相談しようと考える方もいらっしゃると思います。しかし、警察に相談しても事件性がないと判断される場合は対応すらしてもらえないことがほとんどです。

 

警察に捜査してもらえるのは、刑事事件としての事件性がある場合のみです。例えば、爆サイの書き込みが殺害予告などで、殺人罪や脅迫罪に当てはまる可能性のある事案では対応してもらえる可能性が高くなります。

 

そこまでの事件性でなくても少なくとも、名誉毀損罪などに当てはまるという証拠を取ってから警察に相談するほうが良いでしょう。

 

まとめ|開示請求で犯人の特定が難しかった場合の対処法は?

爆サイやプロバイダに対して情報開示請求を行っても必ず要請に応じて開示してくれるというわけではありません。

 

また、ログの保存期間が過ぎてしまってそもそも開示できる情報を持っていないというケースもあります。

 

開示請求によって犯人を特定することが難しいという場合は他の対処法を考えなければなりません。この場合最もお勧めなのは、探偵にネットトラブル調査を依頼する方法です。

 

探偵はあらゆる調査に特化しているため、一般の人から見て手掛かりが少なく犯人の特定が不可能に見える場合も、独自の調査方法やネットワークを駆使して犯人までたどり着ける可能性があります。

 

また、権利侵害の証明ができないために爆サイやプロバイダが情報開示に応じない場合でも、探偵がとった証拠があれば対応に応じてくれる可能性が高くなります。犯人特定が無理だと諦めそうになった時でも、ぜひ一度探偵にご相談ください。