爆サイに誹謗中傷したらどんな犯罪になる?逮捕される可能性は?

爆サイは、地元の情報に密着しているネット掲示板として有名で利用者も多く、地元ならではの情報が手に入るため、日ごろから情報収集として活用している方もいらっしゃると思いますが、そんな爆サイでの誹謗中傷トラブルが後を絶ちません。

 

地元に密着しているネット掲示板だからこそ、イニシャルや源氏名で隠しているつもりでも、それを見た人たちが誰のことを言っているのかすぐにわかってしまい、誹謗中傷の被害が広がってしまっているのです。

 

そこで今回は、爆サイに誹謗中傷の書き込みをしたらどのような罪に問われる可能性があるのか、逮捕されてしまうリスクはあるのか、また、もし爆サイに誹謗中傷の書き込みをしてしまっている場合、どのような対応を取ればいいのかについてお伝えしていきます。

 

「逮捕されたらどうしよう・・・・?」

と不安を抱えている方は、まずは落ち着いて本記事を参考にしてみてくださいね。

 

Contents

「誹謗中傷」と「批判」ってどう違うの?

相手のことについてネガティブな内容を書いてしまった時「誹謗中傷」なのか「批判」なのか区別がなかなかつきにくいときもあるでしょう。

 

実際、誹謗中傷は法律上、明確な定義のある言葉ではありません。ただ、警察としては誹謗中傷について、「根拠のない悪口や嫌がらせで、他人を傷つけること」とし、批判について「物事の良し悪しを評価したり、論じたりすること」と定義しています。

 

誹謗中傷と批判は必ずしも明確に区別できる場合だけではなく、その区別が難しい場合も多いのですが、一般的に、「批判」は根拠を示していて、論理的に改善できる余地のある事柄についての言及を指していて、誹謗中傷は、単に相手を否定したり、攻撃したりすることを指していると考えて良いでしょう。

 

爆サイに誹謗中傷を書き込んだらどんな罪に問われる可能性がある?

自分では悪気なく書き込んでいたとしても、場合によってはそれが誹謗中傷になってしまい、法律的に罪に問われる可能性が出てくることもあります。

 

その場合、どのような罪が成立する可能性が出てくるのでしょうか。以下に、該当する可能性の高い罪について見ていきます。

 

名誉毀損罪

名誉毀損罪は公然と事実を摘示し、人の名誉を汚した場合に成立する罪です。

 

「公然と」とは不特定または多数人が知ることができる状態のことを指していて爆サイへの投稿は誰でも閲覧できる状態と言えるので「公然」性の要件を満たしています。

 

「事実を摘示する」とは、被害者の社会的評価を低下させるような具体的事実を指摘して、表示することを指していて摘示される事実は、真実かウソかは関係ありません。また、一般に知られていない事実だけでなく、広く世間に知れ渡っているも事実であっても名誉毀損罪が成立する可能性はあります。

 

名誉毀損罪が成立した場合の法定刑は、3年以下の懲役もしくは禁固又は50万円以下の罰金です。

 

侮辱罪

侮辱罪は事実を摘示せずに、公然と人を侮辱した場合に成立します。「公と然」とは、先ほどご説明した名誉毀損罪の場合と同じで不特定または多数人が知りうる状態のことを指しています。

 

「事実を摘示せずに」とは、例えば「ブス」「デブ」「キモイ」「バカ」など、抽象的で嘘か本当か客観的に確認できないような悪口を書き込んだ場合は、名誉毀損ではなく侮辱罪が成立します。

 

なお、個人に限らず、団体や会社などを侮辱した場合にも侮辱罪は成立します。侮辱罪の法定刑は20227月に厳罰化されていて、現在は1年以下の懲役または1年以下の禁固または30万円以下の罰金または拘留または科料とされています。

 

もともとは侮辱罪の法定刑は拘留または科料のみでしたが、昨今、誹謗中傷の書き込みが社会問題化していることを踏まえ、20226月に侮辱罪の法定刑を厳罰化する改正刑法が成立し77日から施行されることになったのです。

 

脅迫罪

爆サイへの書き込みは場合によって脅迫罪に該当する可能性もあります。脅迫罪は生命、身体、自由、名誉、財産に対して危害を加える旨を告知して人を脅迫した場合に成立します。

 

「殺すぞ」「家を燃やすぞ」「誘拐してやる」などと直接的な言葉を書き込んだ場合はもちろん、「夜道は背後に気をつけろ」など危害を加えることをほのめかすような内容の書き込みをした場合も脅迫罪が成立する可能性があります。

 

なお、脅迫した相手が仮に全く本気にせず恐怖を感じなかった場合であっても一般的に恐怖を感じるような内容で生命や身体などに害を加えられるかもしれないと思うような内容であれば脅迫罪が成立します。

 

脅迫罪の法定刑は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

 

信用毀損罪

信用毀損罪はウソの情報や噂を流したり、人をだましたり惑わせたりすることによって、人の信用を毀損した場合に成立する罪です。

 

ここで言う信用とは、経済的な側面における人の社会的な評価のことで、支払能力や支払意思に関する信用や、商品の品質に対する社会的信頼なども含まれています。

 

例えば爆サイに「●●店の刺身は産地を偽装している」「●●社は不渡りを出したからすぐ倒産する」などと書き込んだ場合に成立する可能性があります。

 

名誉毀損罪との区別も少しわかりにくいのですが、名誉毀損罪は爆サイに書き込んだ内容が事実かウソかは関係なく仮に真実でなくても成立しますが、信用毀損罪は書き込んだ内容が真実の場合には成立しません。

 

なお、信用毀損罪の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

民事上の損害賠償請求をされる恐れ

爆サイに誹謗中傷の書き込みをしてしまった場合、刑事罰だけでなく民事上の損害賠償請求をされる可能性もあります。

 

これまでの判例によれば、一般人が誹謗中傷に対して損害賠償請求した場合は1050万円、個人事業主や企業が損害賠償請求した場合は50100万円獲得できるのが相場となっています。なお、被害の内容や被害を受けていた期間などによって相場以上の賠償金の支払いが命じられる可能性もあります。

 

爆サイに誹謗中傷を書き込んだ場合、逮捕される可能性はあるのか

ちょっとしたストレス発散や、軽い気持ちで爆サイに誹謗中傷まがいの内容を書き込んでしまった方が一番気になっているのが「自分が書き込みをした内容で逮捕されてしまうのではないか・・・?」ということでしょう。

 

刑事罰にあたるような誹謗中傷の投稿を行った場合は、警察に逮捕されてしまう可能性はありますが、具体的にどのような場合に逮捕される可能性が高くなるのかについて見ていきましょう。

 

逃亡や証拠隠滅の恐れがあれば逮捕される

現行犯以外で警察が容疑者を逮捕するためには、裁判官が出す逮捕状が必要となっていて、その逮捕状の発行には、罪を犯したと考えられることに加え、「証拠隠滅の恐れまたは逃亡の恐れのいずれかが必要とされています。

 

爆サイに誹謗中傷を書き込むという行為は、匿名で行われていますしアカウントを削除してしまえば犯人が誰であるか分かりにくくなるため「証拠隠滅の恐れ」に該当する可能性があります。

 

さらに、単身者であったり定職についていなかったり、賃貸住宅に住んでいる場合などは逃亡の恐れがあると考えられるため、逮捕される可能性が出てきます。

 

悪質な名誉毀損罪にあたる場合は逮捕されるリスクが高い

爆サイに書き込んだ誹謗中傷が名誉毀損罪に当たると判断される場合、逮捕される可能性が高くなるケースがあります。

 

特に誹謗中傷の内容があまりにもひどい場合や、繰り返し誹謗中傷する悪質なケース、また被害者が爆サイに投稿された内容を苦に自殺するなど深刻な被害を生じた場合には、犯人が証拠隠滅を図ったり逃亡を計画したりする可能性が高くなると判断されるため、逮捕される可能性は飛躍的に高まります。

 

被疑者の告訴があれば起訴される可能性がある

名誉毀損罪も侮辱罪も、「親告罪」と呼ばれる刑罰で、起訴するためには被害者が告訴をすることが必要です。仮に検察官が「起訴するべき悪質な誹謗中傷だ」と判断したとしても、被害者が告訴しなければ起訴されません。

 

起訴されなければ裁判にもかけられませんし、前科が付くこともありません。

 

ただ、逆に言えば被害者が告訴すれば起訴されて有罪判決が出る可能性があるということです。

 

爆サイへの投稿は匿名でしているのに投稿者を特定されてしまうの?

「爆サイの投稿は匿名でしているのだから、自分がどこの誰なのか特定されることもないだろうし、まして逮捕されるわけがないだろう」

 

と考えている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、ネット上に誹謗中傷の書き込みをして名誉毀損罪として逮捕される可能性は、一般的には高いとは言えません。

 

しかし、発信者情報開示請求という手続きを踏めば、たとえ匿名で投稿をしていても投稿者を特定することができてしまいますし、結果的に逮捕される可能性も出てきます。逮捕までいかなくても損害賠償請求をされる恐れは十分に考えられます。

 

発信者情報開示請求は、爆サイの運営側にIPアドレスなどの情報を開示してもらい、その情報をもとに投稿者が使用していたプロバイダを特定し、そこから投稿者の個人情報を開示してもらうという手続きです。

 

参考記事:爆サイへの情報開示請求は難しい?開示請求の手順とポイント

 

発信者情報開示請求は、これまで必要な手続きが多く、加害者特定までの時間もかなりかかってしまっていて、使いにくいことがネックになっていましたが、令和34月に改正法が成立し、令和410月から新しい法律が施行されるようになっています。

 

参考サイト:総務省|インターネット上の違法・有害情報に対する対応

 

改正された法律においては発信者の情報開示請求を1回の手続きですませることができるようになっているため、誹謗中傷の書き込みを行った投稿者の特定がより簡単に行えるようになるでしょう。

 

そのため、被害者の方もこれまで以上に積極的に加害者を特定するようになると予想されるため、逮捕されたり損害賠償請求をされたりする事例が増えていくと考えられます。

 

爆サイで誹謗中傷の投稿をしてしまったらどうすればいい?

今後、爆サイなどインターネット上に誹謗中傷の書き込みを行うと、投稿者を特定されやすくなり、逮捕や損害賠償請求を受けるリスクが高くなるとお伝えしましたが、もしご自身が誹謗中傷のような投稿をしてしまったとしたら、どのように対処するのが良いのでしょうか。

 

自分の投稿を削除する

もし、「この投稿、まずかったかも・・・」とすぐに気が付くことができたら、なるべく早い段階で自分の投稿を削除しましょう。

 

投稿してすぐのタイミングであれば、閲覧している人の数もそこまでいないですし、被害者が受ける被害も少なく済みます。

 

爆サイでの投稿を削除する方法については、こちらの【爆サイのスレッドを自分で消す方法|根本的な解決は専門家に相談!】の記事を参考にしてみてください。

 

被害者の方と示談交渉をする

名誉毀損罪や侮辱罪は親告罪なので、被害者が告訴しなければ起訴されることもありませんし、前科が付くこともありません。そのため、被害者と示談交渉をして謝罪の場を持ち、示談金を支払うことで納得してもらえれば、告訴を回避できる可能性があります。

 

示談交渉が成功すれば前科のつく刑事責任を回避できますし、慰謝料などの民事責任も両者の間で解決できるので、時間的にも労力的にもとてもスムーズに解決に向かうことができます。

 

その際、弁護士に示談交渉を依頼するというのも一つの方法です。弁護士に相談すれば、間に入って被害者の方と交渉し、示談を進めるサポートをしてくれます。

 

被害者のなかには「許せない」という強い気持ちから、示談交渉を拒否してくる人も少なからずいますので、示談交渉のプロである弁護士が間に入って交渉することで、よりスムーズに示談を進められる可能性もあります。

 

なお、示談交渉は被害者が誰なのかわからないと進めることはできません。爆サイやSNSにおいては相手のアカウント情報がわかるだけで、本名や連絡先などの情報は素人の方がすぐに特定することはできませんので、その際は調査のプロである探偵に相談すると良いでしょう。

 

まとめ

爆サイなどのネット掲示板やSNSは、誰もが自由に意見や考え方を発言できる場所ですが、だからといって相手を傷つけたり陥れたりする内容を発信することは慎まなければなりません。

 

他人への誹謗中傷と捉えられる書き込みや投稿は、名誉毀損罪や侮辱罪、脅迫罪などさまざまな犯罪に該当するおそれがあり、場合によっては逮捕されてしまうおそれもあります。

 

もし誹謗中傷の投稿を行ってしまった場合には、できるだけ早く行動を起こし、被害者の方と示談を進めることを考えたほうが良いでしょう。その際、本文でご紹介したように弁護士に相談する方法もありますが、弁護士費用が高くて・・・という場合は、ご自身で交渉力を身に付けて直接被害者の方と交渉を進める方法がお勧めです。

 

ご自身が直接交渉を進めることで被害者の方に謝罪の熱意も伝わりますし、両者が納得できる形での解決を目指せます。交渉力の身に付け方については、プロに教わる方法が最も早く効率的ですので、ぜひこちらの【問題解決のための交渉コンサルティング】のサイトも参考にしてみてください。