今どきの高校生・中学生に多いSNSトラブル事例とトラブル対策

高校生・中学生ともなると、自分のスマホを持っていることは珍しくなく、スマホを持っている高校生や中学生のほとんどがSNSを利用していると言っても過言ではありません。

 

スマホを持っていることで家族間でも気軽にやり取りができますし、お互いの位置情報を確認できる機能もあるので便利な面も多いのですが、子供にスマホを持たせるかどうかを迷っている親からすると、子供がSNSトラブルに巻き込まれてしまうのではないかという心配は絶えないでしょう。

 

しかし、中高生ともなると周りでスマホを持っている子供が多くなりますので、自分の子供だけ持たせないというわけにもいかないと悩んでいる親御さんは多いかもしれません。また、すでに高校生の子供にスマホを持たせている場合でも、SNSトラブルに巻き込まれてしまう可能性があるのではないかと心配されている方もいらっしゃるでしょう。

 

今回の記事では、SNSトラブルの現状や特に注意しなければいけないSNSについて、特に中高生が巻き込まれやすいSNSトラブルの事例、そしてSNSトラブルのリスクを最小限に抑えるための対策についてお伝えしていきます。

 

Contents

高校生がSNSトラブルに巻き込まれる事例が急増している

スマホを利用する高校生が増えていることに伴って、高校生がSNSでのトラブルに巻き込まれるケースは年々増加しています。

 

特に、SNSで知り合った異性と性的トラブルに巻き込まれる高校生が多く、自撮り画像などをSNS上にアップしたことによってストーカー被害に遭うケースも多いという傾向があります。

 

件数で具体的に見てみても、SNSで何かしらのトラブルに巻き込まれた件数は平成20年の792件から2.2倍に増えて平成28年には1736件となっています。SNSで出会った異性とトラブルに巻き込まれるのは高校生が圧倒的に多く、「高校生ともなれば善悪の区別や危険の判断はできる」という理由からSNSを比較的自由に利用していることが原因として考えられます。

 

参照サイト:総務省|インターネットトラブル事例集

 

高校生は確かに大人に極めて近いですが、まだまだ子供な部分や危険を察知する能力が備わり切っていないということを親がしっかりと認識してあげて、高校生の子供がトラブルに巻き込まれるのを未然に防いであげることが重要です。

 

SNSトラブルの現状と特に注意すべきSNS

ここでは2021年の最新のスマホトラブルの現状を紹介していきます。

 

上の章でも触れましたが、ニュースでたびたび報道されているように、SNSによるトラブルや被害は年々増加傾向にあり、警視庁が公開したデータによると、平成23年に1,085件だった被害件数が令和2年には1,819件と増えています。

 

また、SNSの種類別に見ると、令和2年のSNS被害の報告件数は、Twitterでのトラブル被害が642件、Instagramでの被害が221件、ひま部での被害が160件となっていて、Twitterを利用することによるトラブルが最も多いことがわかります。

 

お子さんにはできるだけTwitterを使わせなかったり、Twitterを使わせるとしてもリスクをしっかりと教えてあげたりすることが重要でしょう。

 

参照サイト:警視庁|少年非行、児童虐待 及び子供の性被害の状況

 

特に高校生・中学生に多く見られるSNSトラブル

ここからは、特に高校生や中学生が巻き込まれやすいSNSトラブルについて見ていきます。中高生の子供を持つ家庭はこのようなトラブルに特に目を光らせて注意していくべきと言えます。

 

誹謗中傷やいじめ

中高生だけに限ったことではありませんが、SNSを利用することによって誹謗中傷やいじめの被害に遭うケースが多いです。

 

誹謗中傷やいじめが起こりやすいSNSとしてはLINEが挙げられます。LINEはコミュニケーションの手段として用いる際にはとても便利ですが、使い方を間違えてしまうと誹謗中傷やいじめのトラブルに発展することはよくあります。

 

よく起こるいじめのケースとしては、いじめのターゲットの子供を省いたグループLINEを作り、そのグループLINEのトークルームでそのターゲットの子供について誹謗中傷や悪口を書き込むというものです。

 

本人の知らないところでグループLINEが形成されますが、何かの拍子でその存在を知ったり、その中での誹謗中傷の内容を読んでしまったりしたら大きなショックを受けるでしょう。

 

LINE以外でもTwitterなどで匿名のアカウントから特定のアカウントに対して暴言や誹謗中傷などのメッセージを送ったり脅迫めいたコメントをしたりというトラブルもあります。

 

性犯罪被害

高校生のSNSトラブルとして性犯罪やストーカー被害に遭ってしまうケースも多いです。

 

Twitterやマッチングアプリなどでは実質上の買春行為が横行していて、まだ純粋な高校生は相手の言うことを鵜呑みにして騙されたり、お金が欲しいあまりに自身のわいせつな画像をアップしてしまったり、直接会って性被害に遭ってしまったりというケースが多数報告されています。

 

高校生たちは気軽に自分の自撮り画像をInstagramTwitterなどにアップしていますが、その画像を見た見知らぬ人からネットストーカーをされてしまう恐れもあります。また、ネット上だけでなく、SNSに投稿された写真の位置情報から生活圏内を特定されてしまい、リアルな世界でのストーカー被害に遭うことも少なくありません。

 

個人間取引における詐欺被害

SNS上には趣味ごとのコミュニティやファンサイトなどもあり、そのようなSNS上で知り合った個人と、コンサートのチケットやブランド物の衣料品、雑貨などを取引して詐欺被害のトラブルに巻き込まれることもあります。

 

高校生の中には大人になろうと背伸びしている子供も多く、「ブランド品を買いたいけれど自分のバイト代だけでは難しい」という場合にSNS上で知り合った人から「通常の70OFFで譲ります」と勧誘が来ると、深く考えずにお金を振り込んでしまう可能性も高いのです。

 

SNS上の知り合いでは、相手の個人情報や連絡先をきちんと把握していないことがほとんどで、匿名のアカウントであれば相手と連絡を取ることすら難しくなってしまいますので、トラブルの解決が非常に難しいです。

 

高額課金

最近ではスマホでゲームを楽しむ中高生も増えていて、それが知らない間に高額課金のトラブルにつながることもあります。

 

ほとんどのスマホゲームははじめ無料で楽しむことができるのですが、ゲームが進んでいくと無料では楽しむことができず、ゲームを楽しむための有料のアイテムを買うように促されます。

 

それに従って深く考えずに課金を繰り返し、気が付いたときには高額な請求額になってしまっている場合もあります。お子さんがスマホでのゲームを楽しんでいるようであれば注意してあげる必要があるでしょう。

 

不当請求

SNSに流れてくる情報の中には、不当請求やワンクリック詐欺と言えるようなものも混ざっていることがあります。

 

SNSにアダルト系やアニメ系、芸能人系のサイトURLが流れてきて、そのURLをクリックすると、「このサイトは有料サービスのため3日以内に10万円を支払って下さい。支払わないとSNSの個人情報から直接請求にうかがいます」などという表示画面が出て、カウントダウンの表示も出てくるため、あわてて支払って詐欺被害に遭ってしまう未成年も増えています。

 

特に、アダルトサイトだと恥ずかしくて親に言えずに自分でなんとかしようとした結果、親のカードを使って無理に支払ってしまうケースもあります。そのような怪しいリンクはクリックしない、もし請求画面が出てきてもすぐに支払わない、すぐに相談する、などの対応を各家庭で徹底しておくことが必要です。

 

違法アップロードとダウンロード

中高生のSNS利用においては違法なアップロードとダウンロードにも注意しなければいけません。SNS上には著作権のある画像や動画が出回っていることもあり、著作権のある動画や画像などを知らずにアップロードすることで、著作権法に抵触してしまうことがあります。

 

例えば自分以外の人が書いたマンガを、「面白いからみんなに共有したい」という気軽な気持ちでスマホで撮影し、動画サイトにアップする行為は著作権法違反にあたります。

 

また、違法にアップロードされた動画であることを自覚した上でダウンロードする行為も、多くの中高生が実際に行っているようですが犯罪になりますので気を付けてください。

 

SNS中毒による体調不良

SNSを利用している中高生の中には、「スマホ中毒」「SNS中毒」とも呼べるような状態になってしまっている子供たちも少なくありません。

 

SNSは次から次へと動画や画像がアップされていて、見飽きることがありません。また、自分の興味のある動画や画像も検索すればいくらでも出てきますので、ついつい長時間見入ってしまいます。

 

しかし、スマホを長時間使用し続けることで身体に何らかの影響が現れてしまうケースも多く、夜遅くまでスマホを使用した結果、睡眠不足に陥り生活リズムが崩れて学校に遅刻したり、授業中に居眠りしたりなどの症状が現れることもあります。

 

SNS中毒になってしまうことで、中高生としての健全な成長や生活ができなくなってしまいますので、SNSに依存していないか注意してみてあげることも重要です。

 

ながらスマホによる事故

通学中などのながらスマホによる事故もトラブルの一つです。

 

実際の例としては、通学中に自転車に乗った高校生が、ながらスマホをしてSNSを夢中になって見ているときに、横断歩道を渡ろうとしていた男性と衝突して意識不明の重体になった事故があります。ながらスマホをすると、どうしてもいつもより注意力が散漫になってしまいますので、交通事故などを引き起こす可能性が高くなってしまいます。

 

ながらスマホは事故の被害者になるだけでなく、加害者になってしまうリスクもあるということをしっかりと教えていかなければなりません。

 

トラブルに巻き込まれた高校生・中学生の約半数が親には相談しない!?

ここまでで、高校生・中学生がいかにSNSトラブルに巻き込まれる危険性があるのかということや、SNSトラブルの種類は多岐にわたっているということをお伝えしてきましたが、万が一SNSやネット上でトラブルになってしまったとき、彼らはどのような行動を取るのでしょうか。

 

株式会社NTTドコモが日本全国のスマートフォンを所持する高校生・中学生に対して行った調査によると、「インターネット上のトラブルに巻き込まれたときに、あなたはどうしますか?」という質問に対して「親に相談する」と回答した人は55%にとどまっています。つまり、残り約半数の45%の中高生は、SNSやネットでトラブルが起きても親には相談しないということになります。

 

一方、この質問での回答が最も多かったのは「インターネットで調べる」で76%に上っています。中には、知恵袋などの質問サイトやSNS上の知り合いなどインターネット上の知り合いに相談するという子供もいました。

 

親に相談しないというのには様々な理由があるかと思いますが、親に心配をかけたくないと考えて打ち明けてくれないこともあるでしょう。SNSトラブルは対処が遅くなればなるほど問題が大きくなってしまいますし、解決も難しくなってしまいますので、お子さんをSNSトラブルから守ってあげるためには、普段からスマホやネットに関してオープンに話しあえる関係性や雰囲気作りをしておくこともとても大切です。

 

SNSやネットでトラブルに遭ってしまったときの相談先

中高生がSNSトラブルに巻き込まれたら、いち早く親に相談して親が対処していくことが本来はベストです。

 

子供からSNSトラブルの概要を聞き、トラブルの状況によって警察や弁護士、調査会社や探偵に相談して対処していくのが最もスピーディーに解決できる方法ですが、先ほどの章でもお伝えしたように、親に相談しない子供が半数近くいるため、親以外の相談先も子供たちに事前に伝えておくのが良いでしょう。

 

親に対しては心配をかけたくないという気持ちや、恥ずかしいという気持ちからなかなか相談しにくいかもしれませんので、NPOや行政の窓口を教えておくことが有効です。

 

総務省が設置している子どもの人権110番やチャイルドラインなどを使えば、無料でトラブルについての相談ができます。SNSトラブルだけでなく、学校生活での悩みなども相談できますので、精神的なサポートも期待できるでしょう。

 

関連サイト:子どもの人権110番  チャイルドライン

 

このような相談先に話してからであれば、お子さんも落ち着いて親に話してくれるようになることもあります。また、SNSトラブルなどは子供から言い出すのが難しいということを親が理解してあげて、様子がおかしければ親のほうから察して聞いてあげるということも必要でしょう。

 

いずれにしても、親がお子さんのトラブルの状況をできるだけ早く理解して、本格的な対処を行えるようにすることが重要です。お子さんのトラブルについて把握した後に親御さんが相談できる窓口については【子供が危ない!子供が巻き込まれるSNSトラブルと子供を守るための対策】の記事も参考にしてみてください。

 

まとめ

高校生はもう立派な大人・・・と考えている方も多いかもしれませんが、まだまだ未熟な部分も多く、特にSNSの危険性やネットリテラシーをしっかりと理解できている子は少ないです。

 

そのため、お子さんをSNSトラブルから守るためには親がネットリテラシーを勉強し、それをお子さんに伝えていくことが必要です。

 

また、SNSトラブルは些細なことだと思っていても被害が大きくなってしまうこともありますので、甘く考えずにトラブルが起きたらできるだけ早く専門家に相談するようにしてください。