子供が危ない!子供が巻き込まれるSNSトラブルと子供を守るための対策

現代の子供たちは生まれたときからインターネットがあり、物心着くころからスマートフォンに触れて育っています。

 

情報をスピーディーに手に入れる能力は自然と身につきますし、便利な世の中に生まれたというメリットは大きいのですが、それと同時にインターネットやSNSなどで大きなトラブルに巻き込まれてしまうリスクも抱えています。

 

特に子供たちはSNSのリスクや怖さをしっかりと認識できていないために、自分では気が付かないうちに大きなトラブルに自ら飛び込んでしまう危険性もあるのです。現在子育て真っただ中の親御さんにとってみれば、自分の子供がSNSのトラブルに巻き込まれてしまわないか心配で仕方ないでしょう。

 

大切なお子さんを守ることができるのはご両親しかいません。お子さんをSNSトラブルから守るためにしっかりと対策について理解しておくことが大切です。

 

今回の記事では、SNSでお子さんが巻き込まれる可能性のあるトラブルの事例や、SNSトラブルから子供たちを守るために親が行うべき対策について詳しく解説していきます。また、万が一トラブルに巻き込まれてしまったときに相談すべき専門家についてもご紹介していきます。

 

Contents

SNSを利用している小学生も増えている

大人の感覚からすると、自分のスマートフォンを持つのは中学生か高校生くらいからが妥当なのかな?と考えてしまいがちですが、実際のところどのくらいの年齢からスマートフォンを持ち始めているのでしょう。

 

自分のスマートフォンを持つ子供の割合は年々増加していて、内閣府が行った「青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば自分だけのスマートフォンを持っている子供の割合は、小学生で41.0%、中学生で84.3%、高校生では99.1%となっています。

 

また、スマホを使って行うこととして、SNSをはじめとするコミュニケーション、動画視聴、音楽視聴、ゲームの利用が上位を占めています。1日のインターネット平均利用時間は約3時間25分で、13時間以上インターネットを利用する子供の割合は約5割となっていることも調査でわかっています。

 

インターネットやSNSの利用時間が長くなればなるほど、その分トラブルに巻き込まれるリスクも大きくなっていくので親としてはより注意深く子供を見ていく必要があるでしょう。

 

小学生で自分のスマートフォンを持っているうちの37.6%がSNSの利用をしているという調査結果もありますので「うちの子供はまだ小学生だから大丈夫」と油断するのは禁物だということがおわかりいただけるかと思います。

 

SNSで子供が巻き込まれる可能性のあるトラブル

SNSの利用が子供に悪影響を及ぼす可能性があることはなんとなく感じる方も多いと思いますが、具体的にどのようなトラブルが考えられるのか、しっかりと把握できている方は意外に少ないかもしれません。

 

ここでは、SNSの利用によって子供が巻き込まれる可能性のあるトラブルについて見ていきます。可能性のあるトラブルについて理解しておくだけでも、未然に防ぐうえで役に立つでしょう。

 

誹謗中傷トラブル

SNSでは相手の顔が見えないため、悪口や誹謗中傷が横行してしまう傾向にあります。SNSで誹謗中傷を書き込まれることでいじめの被害に遭った子供が不登校になるケースは少なくありません。

 

最悪の場合、自殺未遂や自殺をしてしまう事態にもなりかねません。

 

また、誹謗中傷トラブルは被害者になる可能性だけでなく、あなたのお子さんが何気なく書き込んだ内容が相手にとっての誹謗中傷にあたり、加害者になってしまうリスクもあるのです。

 

仲間はずれやいじめに遭う

SNSの中でも利用者の多いLINEですが、LINEを舞台にしたいじめが子供たちの中で多くなっています。

 

LINEには11のやり取りができるものだけでなく、複数のアカウントでやり取りができるグループLINEがありますが、このグループLINEから仲間はずれにされてそれがリアルな日常生活でのいじめに発展することもあります。

 

学校生活で仲間はずれにされることは昔からあったいじめですが、SNSでの仲間はずれは学校から帰って家にいる時間も悩まされてしまうことになるので、子供たちが受ける精神的負担はかなり大きなものになることが容易に想像できます。

 

知らずに高額課金

小学生や中学生はSNSだけでなくゲームでの利用が多いですが、このゲームでトラブルに巻き込まれることもあります。

 

スマホのゲームでは登録自体は無料でできゲーム内で課金があるものが多いのですが、無料だと思い込んでオンラインゲームで遊んでいる間に、アイテムが有料であることを知らずに購入してしまい、高額の料金を請求されてしまうというトラブルも多く発生しています。

 

お子さんのスマホの費用は親が出していることがほとんどだと思いますので、スマホの料金が不自然に上がっている際はゲーム課金がされていないかチェックしてみることが重要です。

 

児童ポルノ被害

SNSを利用する中で、見ず知らずの人とつながることは容易に起こりえます。その中にはまだ善悪の区別がつかない子供を利用しようとする悪意のある大人も多く、子供たちが児童ポルノ被害にある可能性もあります。

 

実際、SNSで知り合った男性とメッセージのやり取りをする中で親しくなり、相手から言葉巧みに「服を着替えているところを見せてほしい」と誘導され、無料通話アプリで裸の写真や着替えているところの動画を録画されてしまったという被害が複数報告されています。

 

知り合った相手と実際に会わなかったとしてもこのような性的被害に遭うこともありえるということは親としてしっかりと認識しておきましょう。

 

個人情報流出によるストーカー被害

設定にもよりますが、SNSに投稿した内容は全世界の人が見ることができてしまいます。そのため、SNSに投稿する内容はしっかりと精査したうえで個人を特定できるものは載せないというのが利用の基本ですが、そのようなことを理解している子供は多くは無いでしょう。

 

実際、SNSに安易に個人情報を載せてしまったり、自宅の場所がわかる写真を投稿してしまったり、通っている学校がどこかわかる内容の投稿をしてしまったりして、写真や名前、住所、通っている学校が知られてしまったためにストーカー被害に遭う子供もいるのです。

 

SNSで知り合った人からの性的被害

児童ポルノ被害と同様に、SNSで知り合った人が悪意をもって子供に近づいている場合、実際に呼び出されて性的被害に遭う可能性もあります。

 

子供の頃に受けた性的被害は大人になってからもトラウマとして残ってしまうので絶対に避けたいトラブルです。また、性的被害だけにとどまらず、暴行を加えられたり、最悪の場合殺害されてしまう危険性もゼロではありません。

 

SNSで知り合った人とむやみに会うことの危険性も親子でしっかりと話し合っておくことが必要不可欠と言えます。

 

子供がSNSトラブルに巻き込まれないために親ができる対策

SNSの利用にあたっては、様々なトラブルが考えられますが、子供たちが安全にSNSやインターネットを利用するために親ができる対策はたくさんあります。

 

保護者としてSNSの特徴やリスク、適切な使い方を理解し、子供たちをトラブルから守っていくためにできる対策をお伝えしていきます。

 

スマホやSNSの利用についてのルールを決める

子供をSNSトラブルから守るためには、親子で話し合って利用する上でのルールを決めておくことが大切です。

 

そして、そのルールは年齢や学年が上がって成長するとともに定期的に見直していきましょう。

 

具体的なルールとしては

・スマホを利用していい時間は17時~20時までの間

・リビングなど親の目の届く場所でのみ利用する

SNSやインターネット上に名前や顔写真、学校名などは書き込まない

SNSで悪口や否定的な言葉は書き込まない

・リアルな世界で知らない人とはSNSでつながらない

・パスワードは親が管理する

・何か困ったことがあったらすぐに親に相談する

などが挙げられるでしょう。

 

ルールを決める際は、親が勝手に決めて一方的に押し付けるのではなく、子供と一緒に話し合い、子供が自ら考えるように促して決めていくことがポイントです。

 

また、実社会でやってはいけないこと(他人を傷つけること、仲間はずれにすること、騙すこと、知らない人についていくことなど)は、インターネット上でもやってはいけないということを教えてあげてください。

 

ペアレンタルコントロールを活用する

ペアレンタルコントロールとは、子供のスマートフォンの使用状況を保護者が把握したり、安全管理を行ったりするための機能で、OS事業者やアプリ開発事業者からサービスが提供されていますので、子供をSNSトラブルから守るためにぜひ活用しましょう。

 

ペアレンタルコントロールを利用すれば、スマホで子供がゲームをしているときに何時間プレイしているのかわかりますし、SNSを利用している時間帯や何時間利用したのかも把握することができます。

 

フィルタリング機能を活用する

不適切な情報やサイトへのアクセスを制限できるフィルタリング機能の活用も効果的です。フィルタリング機能を使えば、誤ってあるいは故意に危険なサイトにアクセスすることをコントロールしてくれますので、お子さんがSNSを利用するときにも安心です。

 

フィルタリング機能によって出会い系サイトやアダルトサイト、暴力的な表現のあるサイトなどに子供がアクセスしないようにできます。

 

また、子供の年齢や使い方によってフィルタリングのレベルも変えることができますので、利用したいサイトやSNSの個別設定を行って無理なく子供の安全を守るようにしましょう。

 

親もSNSを使えるようになっておく

そもそも親がSNSを利用していないと、どういうところに危険が潜んでいるのか、どのようなリスクが考えられるのか、個人情報はどのように表示されるのか、子供だったらどういう危険に巻き込まれるのか、想像をすることも難しくなってしまいます。

 

そのため子供が使っているSNSがどのようなものなのか、ご両親も実際に使ってみて理解しておくようにしましょう。

 

また、スマホを子供に与えてSNSを利用したいと言ってきたときは、いきなり子どもに勝手に登録させて使わせるのではなく、まず家族でやりとりをする練習を始めて利用する際のリスクについても説明してあげましょう。

 

そして、SNSの公開設定やアカウント設定は親御さんが行い、子供が勝手に変更できないようにしておくこともトラブル回避に効果的です。その際、子供のアカウントや投稿内容は親が見られるようにしておき、万が一の時にすぐに危険を察知できるようにしておきましょう。

 

もしものときに相談できる関係を作っておく

SNSのトラブルに巻き込まれたときに「親にすぐに相談するのよ」と言い聞かせていても、そもそもの親子関係が相談できる関係になければ意味がありません。

 

SNSトラブルから子供を守るためには普段から親に相談しやすい環境を作っておくことも大切です。

 

そのためには、子供が何か困ったことを相談した時に頭ごなしに怒らないことや、子供の意見を最後まで聞いてあげること、何事に関しても親の意見を押し付けないことを普段から気を付けていきましょう。

 

常日頃から、「子供にとって一番の味方であり頼れる存在は両親や家族である」ということを言葉や態度、行動で示してあげてください。

 

万が一SNSトラブルに巻き込まれてしまった場合の相談先

SNSトラブルは巻き込まれてしまうとその後の対応が大変になってしまいますし、何より子供が傷ついてしまう可能性があるので事前に避けることがベストですが、気を付けていてもトラブルに巻き込まれてしまうことはあるでしょう。

 

もし、万が一巻き込まれてしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、トラブルに巻き込まれた際に相談できる専門機関をご紹介していきます。

 

SNSトラブル専用窓口

SNS利用者が増えるに伴ってトラブルも増えているため、現在では様々なトラブル専門窓口が設置されています。

 

民間業者が運営しているものもありますが、国が運営しているものだけでもさまざまな窓口が存在しており、電話やSNS、インターネット上など、自分に合った方法で相談することができます。

 

基本的に相談は無料になっていますので、困ったときは一度相談してみると良いでしょう。こちらの【総務省|インターネット上の誹謗中傷に関する窓口のご案内】で相談窓口がまとめられていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

地方自治体の専用窓口

SNSでいじめに遭っている場合は、地方自治体の児童相談所に連絡をしてアドバイスをもらうのも有効です。いじめを受けている場合は基本的には学校に相談する流れになりますが、学校が積極的に対応してくれない場合も多いです。特に、SNSトラブルでは加害者が誰かはっきりしていないことが多いので、学校もなかなか重い腰を上げにくいのです。

 

そのような場合は一度地方自治体の相談窓口を利用してみるのもアリでしょう。

 

警察

もしもSNSトラブルによってお子さんの身に危険を感じたという場合は、すぐに警察に相談することをおすすめします。

 

SNSで知り合った人と会いに行った様子で帰ってこない場合や、酷い嫌がらせを受けている場合、ストーカー被害で身の危険を感じるときなどは迷わず110番に連絡するか、最寄りの警察署にすみやかに相談しましょう。

 

緊急性がないと感じる場合は【警察相談専用電話#9110】に電話して相談することも可能です。全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながり、SNSトラブルや嫌がらせ被害などの相談に乗ってもらえます。

 

弁護士

子供がSNSトラブルに巻き込まれてしまい、相手の加害者を訴えたい、損害賠償請求したい、など法的対処を考えている場合は、弁護士に相談することも必要です。

 

SNSトラブルでいじめに巻き込まれて大きな精神的ショックを受けてしまった場合は、加害者に対して慰謝料請求できる場合もあります。加害者に対してなんらかの法的措置を取る場合は法律の専門家である弁護士のサポートが必要不可欠ですので、いじめ問題やSNSトラブルでの弁護に実績のある弁護士に相談してみることをお勧めします。

 

探偵

SNSトラブルで問題を解決するにあたっては、加害者が誰であるのかを特定しておくことが重要です。SNSで誹謗中傷を書き込んでくる相手に対して誹謗中傷を辞めるよう交渉したり、加害者を訴えたり、慰謝料請求したりするうえでも相手が誰であるのか特定できていなければ話は進みません。

 

SNS上の相手は匿名のアカウントを作っているケースも非常に多いため、素人ではなかなかどこの誰が加害者なのか断定することは難しいでしょう。

 

そこで頼りになるのが、SNSトラブル調査に強い探偵です。独自のネットワークや調査スキルを使って加害者を特定し、その証拠も掴んでくれます。

 

ただし、すべての探偵がSNSトラブル調査に強いわけではなく、浮気調査などに特化している事務所もありますので、事前にSNSトラブル調査に対応しているか、実績はどの程度あるのかについては確認しておきましょう。

 

まとめ

インターネット世代、SNS世代に生まれた子供たちにとってはスマートフォンなどのデバイスを利用し、SNSで友達とつながる行為は自然なことかもしれません。

 

しかし、正しい使い方を知らずにSNSを利用してしまうと、取り返しのつかないトラブルに巻き込まれるリスクもあります。

 

子供たちをSNSトラブルから守ってあげることができるのは親御さんしかいません。子供にSNSを利用させるのであれば、しっかりとリスクや危険性を理解したうえでご両親の責任の下で安全に楽しんでもらうようにしましょう。