
「失踪」と聞くとなにやら大きな事件で自分たちには関係ないこと、身の回りで起こるなんて信じられないようなこと、と考えている方が多いかと思いますが、実際には失踪は珍しい事例ではなく、身の回りで起こりうることです。
実際、全国の警察に届け出ている失踪捜索願だけでも毎年8万件以上あります。平成29年に行われた警察庁生活安全部による調査では84,850人が行方不明者として届けられていました。
そして、失踪者を探し出す上でSNSは大きな手掛かりを掴むきっかけになります。実際に過去に失踪した人を探し出す際、リアルな世界での交友関係は少なく手掛かりが掴めなかったのにツイッターやインスタグラムなどの、SNSでは数多くの人との交友関係があり、そこから失踪先や失踪の原因を掴んだというケースもあります。
失踪者がSNSに失踪するまでの経緯や行こうとしている場所についての投稿をしていることもありますし、失踪者とSNS上でつながっているSNSユーザーに協力してもらい調査を進めていくこともあるのです。
そこで今回は、家出人が失踪してしまう原因やSNSの投稿から失踪についてわかることをご紹介していきます。また、もしSNSの情報だけでは自力で探し出せない場合の相談先についても解説していきます。
Contents
なぜ突然いなくなってしまったの?家出人が失踪する原因とは
「なんだか最近子供の様子がおかしい」と思っていた矢先に失踪してしまったというケースもあれば、「毎日楽しそうに過ごしていたはずなのに、なぜ突然失踪したの?」と原因がまったくわからないケースもあるでしょう。
失踪してしまう原因を把握しておくことで、少しでも様子がおかしいと感じたときにすぐに対応して失踪を予防することができることもあります。また、失踪が起こってしまった後でも今後の失踪を防止する目的で失踪原因をしっかりと把握しておくことは大切です。
うつ病
うつ病などの精神的な病気が原因で失踪している場合、一人になることで追い詰められて自殺を起こす可能性が高いです。
うつ病を患っている可能性がある状況で失踪している場合はすぐに警察に捜索願を出し、同時に探偵などの専門の調査機関に依頼することをお勧めします。
仕事や人間関係のストレス
仕事でうまくいかなかったり、職場の人間関係をうまくできなかったり、上司にパワハラを受けていたりする場合は、時間とともに日に日にストレスが増していってしまいます。
そのストレスが爆発してしまったときに失踪という行動を取ってしまうのです。このようなケースではTwitterなどのSNSに仕事や人間関係の愚痴を裏アカで投稿していることが多いので、SNSの内容から失踪についての手掛かりを掴みやすいでしょう。
ただし、うつ病と同様に仕事や人間関係が原因で失踪をした場合には、自殺の危険性がありますので、警察や探偵へ早急に相談するなど適切に対処することが重要です。
就活の失敗
「就活で失敗したくらいで失踪なんてするわけない」と考える親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、娘さんや息子さんの性格によっては、また、周りの同級生たちの就活状況によってはかなり追い込まれてしまうことがあります。
就活をするような年代になれば考えも大人になっていますしある程度のお金は持っているはずなので遠くに失踪してしまう恐れがあります。自力で探すのが難しい場合は探偵など調査の専門家に相談するといいでしょう。
金銭トラブル
借金を抱えてしまいそれがどんどん膨れ上がって自分ではどうしようもなくなったとき、家族にも言い出せずに失踪してしまうことがあります。
金銭トラブルになってしまう相手はSNS上やマッチングアプリで知り合った人の可能性もあるのでSNSから手掛かりを探していくことも効果的です。
受験の失敗や留年
受験に失敗してしまったり、学業がうまくいかずに留年しまったりした場合も失踪する可能性があります。
年齢的に未成年なので、失踪している期間が長ければ長いほど事件に巻き込まれる可能性が高くなってしまいます。また犯罪グループに目を付けられて自ら犯罪に手を染めてしまうケースもありますので早急に探し出すことが重要です。
事件や事故に巻き込まれた
自らの意思ではなく事件や事故に巻き込まれて行方がわからなくなってしまった可能性もあるでしょう。
事故や犯罪に巻き込まれた場合は時間が経つほど発見するのが困難になりますし、命の危険も出てくるのでできるだけ早く警察に相談して捜索を開始してもらうようにしましょう。
SNSの投稿内容から失踪の手掛かりを掴む|どんなことが分かる?
家出人がSNSで残している手掛かりからどのようなことが分かるのか見ていきます。どんな情報を求めて手掛かりを集めているのかがはっきりしていると、家出人を探すべき場所が絞りやすくなりますし、手掛かりの情報整理もしやすくなります。
特にSNS上にはたくさんの投稿があり情報が多すぎる状態になっていますので、何を目的としてSNSでの手掛かりを探しているのかがはっきりすれば、必要な情報を見つけやすくなるでしょう。
家出人が失踪した原因や理由
家出人が何故失踪したのか、その原因や理由がはっきりしているとその後の捜索方法が選択しやすくなります。
失踪する原因については前の章で詳しくお伝えしていますが、それらの原因のうち、「未成年者の失踪」や「うつ病などの病気が原因の失踪」「自殺の可能性が高いことがわかる失踪」「事件や事故に巻き込まれた可能性がある失踪」は、家出人の命の危険性が高いと判断されますので、警察も積極的に捜索を行ってくれます。
まずは、SNSの投稿内容から失踪した原因や理由を探ってみましょう。
失踪が突発的なものなのか計画的なものなのか
SNSを時間軸で見ていくと失踪が突発的なものなのか計画的なものなのかもわかってきます。
計画性のある失踪と突発的な失踪の大きな違いは、失踪した本人の意思がはっきりしているかという点です。明確な意思があって失踪している場合は、残された手掛かりを集めていくことで行き先を探ることも可能ですが、突発的な失踪の場合は、警察や探偵などの調査のプロでなければ探し出すことは困難でしょう。
うつ病や認知症を患っている場合や、幼い子供が前触れもなく行方不明になった場合、失踪に必要であろう財布や携帯などが残されて行方不明になっている場合は、突発的な失踪と判断できますのですぐに警察や探偵へ相談するようにしましょう。
家出人の移動手段や宿泊先
家出人が失踪する際に使う移動手段として考えられるのは
・徒歩による移動
・自転車による移動
・バイクや車による移動
・バスや電車、新幹線などの公共交通機関による移動
です。
移動手段がわかれば、家出人がどの程度遠くまで行っているのか想定できるため捜索範囲をどのくらい広くしなければいけないのか把握することができます。
移動手段については、SNSに自分の自転車や車の写真を載せて投稿している場合もありますのでそこから判断することもできますし、持っている自転車やバイク、車が家に残されているかどうか職場に残されているかどうかで判断できるでしょう。
また、計画的に失踪した家出人の場合は、投稿内容で行き先の候補や宿泊先についての情報を残していることがあります。直接的に行き先を投稿していなくても、家出人が気に入っている映画や本についての投稿がされていたり、フォローしている公式アカウントに特定の地域の宿泊施設が含まれていたりすることもありますので、行き先の手掛かりも掴める可能性があります。
SNSの手掛かりだけでは自力で見つけ出せない場合の相談先
SNSで失踪についての手掛かりや情報を掴むことはできますが、自分の力だけでは見つけ出すことは困難です。では、SNSで得られた手掛かりを使ってどのように捜索すれば、また、どこに相談すれば効率的により早く見つけ出すことができるのでしょうか。
友人・交際相手・親族関係者に相談する
失踪した家出人の友人や交際相手、親族関係者など近しい人に相談するようにしましょう。
失踪する前に変わった行動や言動はなかったか、家出人の行き先について心当たりがないか、最近家出人に関することで気になった点はなかったかなどを質問してみてください。
残された家族や恋人にはわからなかった家出人の姿や思考が分かることもありますし、それによってさらに詳しい捜索の手掛かりが掴めるかもしれません。
ただし、知人などに情報を求める場合は、SNSに投稿して「失踪した人を探しています。情報をください。拡散してください」などと呼びかけることは危険です。情報を悪用されてさらなるトラブルを招く可能性が高いので、直接連絡をとって相談するようにしてください。
警察に行方不明者届を出す
失踪した原因が、
・緊急性の高いものである場合
・命の危険を伴う場合
・未成年や認知症の老人の場合
・犯罪や事故・事件に巻き込まれた可能性がある場合
などのケースでは速やかに警察へ行って行方不明者届を提出することが重要です。
警察への届出に躊躇してしまう人も多いかもしれませんが、早い段階で届出を出すことで早期発見へと繋がります。
SNSから探し出した手掛かりとともに家出人の顔写真や失踪した時の服装などの情報も用意し、早めに警察に相談しましょう。
探偵に人探し調査を依頼する
警察に相談しても、緊急性が高くないと判断される場合や、自分の意思で失踪していると判断される場合などは警察は積極的に捜索することができません。
そのような場合は、探偵に依頼して人探し調査を実施してもらうのが一番確実な方法でしょう。また、手掛かりすらほとんど掴めないという場合に手掛かりを探す段階から探偵事務所に依頼して、確実に情報を集めていく方もいらっしゃいます。
失踪人を探す上でスピードはとても重要です。せっかく集めた手掛かりや情報も、時間が経つと情報が古くなって意味が無くなったり記憶が薄れたりしてしまうため、行方不明者の捜索は時間との勝負になってくるのです。
「警察が捜索してくれないからしばらく様子を見よう」と悠長に構えてしまうと取り返しのつかないことになってしまうこともあるため、探偵へ相談することも視野に入れて捜索を続けていきましょう。
まとめ|失踪を放っておくことの危険性
今回は、大切な家族や恋人が失踪してしまった場合において、失踪する原因や理由、SNSの投稿から失踪についてどのようなことがわかるのかを説明してきました。
失踪は放っておくととても危険です。特に未成年のお子さんが失踪してしまった場合、失踪状態の日数が経てば経つほど事件や事故に巻き込まれる可能性が高くなります。また、時間が経てばせっかく集めた手掛かりや情報が古くなり、ますます探すことが困難になってしまいます。
事件や事故に巻き込まれたり、思い詰めて自殺を図ったりしてしまう前に、できるだけ早く警察や探偵に相談して見つけ出してあげてください。