お金を貸した相手のLINEしかわからない|諦めるしかない?できることは?

電話やメールなどが無料で使える便利な連絡手段として老若男女問わず利用者が多いLINEですが、このLINEをめぐるトラブルは年々増加しています。

LINEはお互いに交換するのが楽で気軽に連絡先を交換できますが、特に若年層の間では、相手の連絡先はLINEだけで電話番号や住所はもちろん、メールアドレスや本名も知らないという人も多くいます。

インスタグラムやTwitterで知り合った相手とLINEを交換し、LINEのやり取りで仲良くなっていくうちにお金を貸してほしいといわれて信用して貸してしまったという金銭トラブルが増加しているのです。

当事務所にも

「LINEしかわからない人にお金を貸してしまって音信不通になってしまった」

「相手を信用してお金を貸したが、よく考えたら電話番号も勤務先も本名も知らずLINEしかわからない」

「借用書は作っていなくてお金を貸した証拠はLINEの通信履歴だけ」

という方からの相談が増加しています。

今回は、このようにLINEしかわからない人にお金を貸してしまったとお悩みの方のために、借用書意外で証拠とできる可能性のあるものや訴訟を起こすための方法、そしてLINEしかわからない人と連絡が取れなくなって音信不通になってしまったときに有効な対策について解説していきます。

Contents

LINE上だけの知り合いにお金を貸すことの危険性

冒頭でもお伝えしましたが、LINEしか知らない人にお金を貸して返金されないという被害が近年急増しています。

冷静になって考えてみれば、LINEしか知らない人にお金を貸すことがどれだけリスクの大きいことかわかるはずなのですが、LINEでのやり取りで共通の趣味で盛り上がっていたり、恋愛感情を持っていたりする場合は相手のことを信用しきってしまい、頼まれるままにお金を貸してしまうこともあるでしょう。

万が一LINE上だけの知り合いにお金を貸して返してもらえない場合、可能な限り早く行動を起こすことが何よりも重要になります。

金銭トラブルを放置してしまうと

・時間が経つにつれて返してもらえる可能性が少なくなる

LINETwitterなどのSNSアカウントを消去されてしまう

・相手に関する情報がどんどん消えてしまう

・貸したお金が全額使われてしまう

などの危険性が大きくなります。

LINE上だけの知り合いにお金を貸すことの危険性をしっかりと認識し、金銭トラブルになってしまったらすぐに調査会社に相談するようにしてください。

なお、お金を貸してすぐの段階であれば相手と連絡がまだ取れることもありますので、相手と連絡がとれるうちに借用書を書いてもらったり、免許証を見せてもらったり、相手の氏名・生年月日・住所・勤務先についての情報を聞き出しておくようにしてください。

借用書がなくても返してもらえる?借用書以外で証拠とできるもの

LINE上だけの知り合いにお金を貸す場合に限ったことではありませんが、お金を貸す場合は借用書をきちんと書いてもらうことが大切です。

しかし、貸した後に「借用書を書いてもらっていなかった!!」と気付くこともあるでしょう。また、恋愛感情を抱いている相手や共通の趣味を持つ友だちと思っている相手の場合、なかなか借用書を書いてもらうということはしにくいかと思いますので、口約束だけで貸すことも多いですよね。

借用書がなければお金を返してもらうことはできないのでしょうか。

借用書がなくても契約は成立する

結論から申し上げますと、お金の貸し借りについては、借用書がなくても契約は有効に成立し、返金を請求することができます。

民法では当事者間でお金の貸し借りについての合意をして、お金を受け取るだけで法律上有効に契約は成立するとされているのです。

借用書があればそれだけでお金の貸し借りを証明できる証拠になりますが、借用書以外でも以下のものでもお金の貸し借りを証明する証拠と認めてもらえる可能性があります。

メールやLINEのやり取り

LINEしかわからない人にお金を貸す場合、LINE上でお金の貸し借りについてのやり取りが行われているはずです。

「お金が足りない」「お金を貸してほしい」などのLINE上のメッセージは、お金を借りる動機があったことを想定できる証拠となります。

また、「●月までには返済します」「返済は来月末まで待ってください」という内容のLINEのやり取りも、お金の貸し借りがあったことを推認させる証拠となりますので大切に保存しておくことが重要です。

お金の貸し借りに関するやり取りの前後も重要になることがありますので、可能であればお金を貸した相手とのすべてのメッセージを保存しておくようにしましょう。

振込明細書

お金を貸したのが現金手渡しではなく振込で貸した場合、振込明細書がお金を渡したという証拠になります。

ただし、振込明細書だけでは、お金を貸したのか、それとも贈与したのか客観的に判断することはできません。仮に貸した相手が「もらったと思っていた」「贈与されたという認識だ」と主張すれば貸したことの証拠としては使えなくなってしまいます。

そのような場合、先ほどのメールやLINEでのやり取りと合わせて証拠とすることでより信頼性のある証拠にすることができます。

会話の録音

お金を貸した相手とまだ連絡が取れる場合、直接会って話をするかLINE電話でお金を貸したことについて連絡を取ってみましょう。

そして、その際に相手との会話を録音しておいてください。会話の中でお金を借りたことを認める相手の音声が入っていれば十分証拠として使えます。

音信不通になってからでは遅いので、相手と連絡が取れる早めの段階で行っておくことが重要です。

お金を貸した人とLINEで連絡が取れなくなった場合は探偵に調査を依頼するのも有効

お金を貸した相手と連絡が取れるうちはまだ手を打つ方法が色々とありますが、LINEしかわからない相手と音信不通になってしまうとかなり厄介です。

LINEしかわからず、さらに音信不通になって連絡が取れなくなってしまったら貸したお金は諦めて泣き寝入りする人も多いのですが、探偵に調査を依頼すれば相手の身元がわかりお金を取り戻せる可能性も出てきます。

サイバー調査

ネットトラブルやSNSトラブルに強い探偵事務所であれば、サイバー調査と呼ばれる調査を行い、LINEの相手の本当の情報を調べることが可能です。

LINEしかわからないと思っていても、そのアカウント名が他のSNSに使われていることもありますし、プロフィール写真から得られる情報もあります。

プロの探偵であれば素人では気がつかないような細かな情報からでもあらゆる情報を探し出すことが可能なのです。

そして、SNS上の情報をしらみつぶしに調べて行く中で相手の本名や勤務先、連絡先、住所など相手についての「本当の情報」を入手してもらえます。

素行調査

サイバー調査で相手についての本当の情報を得られたら、素行調査を行うことで相手がどんな生活をしているのか、支払い能力はあるのか、返済の意思はあるのかということを調べます。

また、素行調査を行うことで相手の返済についての状況を調べることができます。たとえば、他の金融会社からもお金を借りているのか、借りたお金はギャンブルに使っているのか、それとも近しい人間が入院したことに使っているのか、などを知ることができます。

相手の借金状況や返済意思についての状況が分かっていれば、それを考慮したうえで相手と交渉していくこともできるようになります。

LINEしかわからない相手に訴訟を起こしてお金を返してもらいたい!

貸したお金がかなり高額な場合は、訴訟を起こしてお金を返してもらえるように裁判で戦うことを考える方もいらっしゃると思います。

その場合、どこまでの情報が必要になるのでしょうか。そして、それらの情報はどうやって入手すればいいのでしょう。

訴訟には名前と住所が必要

訴訟を起こす場合、貸した相手の本名と住所を把握する必要があります。また、内容証明郵便を送って相手にプレッシャーを与えたいと考える場合も、本名と住所が必要になります。

もちろん、訴訟を起こす場合はお金を貸しているという事実を証明できる証拠も併せて用意しておくことが重要です。

LINEしかわかっていない状況では訴訟を起こして勝つことは困難なので、法律の専門家である弁護士や調査のプロである探偵に相談していくことが解決への近道になります。

弁護士照会を利用する

お金を貸した相手の名前や住所を調べるには、弁護士に依頼して弁護士照会をしてもらうという方法があります。

弁護士会照会制度とは、弁護士法に基づいて弁護士が依頼された案件のために、弁護士会を通して資料や証拠などを調査するための制度です。

具体的には弁護士が弁護士会照会を利用してLINE株式会社にLINE登録時の携帯電話番号を照会し、携帯電話番号から携帯電話のキャリア会社に契約者情報の照会を行います。

ただし、この方法はLINEIDを利用して行う方法なので、LINEのアカウント名やプロフィール画像だけでは難しくなります。その場合は次の方法で相手についての情報を調べるといいでしょう。

探偵に調査を依頼する

先ほどもご紹介しましたが、お金を貸した相手についてはネットトラブル調査に強い探偵に調査を依頼する方法がベストです。

特に、相手についての情報が少なければ少ないほど依頼するメリットが大きくなります。探偵は少ない情報からでも手がかりを掴んでくれますので、素人では諦めるしかない状況だと思っていてもお金を貸した相手についての重要な情報を手に入れてくれる可能性が高いのです。

探偵に依頼する場合は、LINEのトーク画面のスクリーンショットやLINEの登録名、プロフィール画像も手掛かりになる場合がありますので、相談の際にすぐに見せられるように用意しておくといいですね。

まとめ

お金を貸した相手についてわかっているのがLINEだけとなると、「もう返ってこないだろう」と諦めてしまう人も多いでしょう。

しかし、探偵に調査を依頼すれば、相手についての本名や住所などの基本的な情報を掴んでくれる可能性が出てきますので、貸していたお金についての請求ができる可能性が出てきます。

ご自身でもう駄目だと判断して諦めてしまう前に、一度SNSトラブル調査に強い当事務所へご相談ください。