子供をSNSによるいじめから守るための対策といじめ調査を行う重要性

今や小学生でもスマートフォンを持ち歩いている時代で、多くの子供たちがSNSを利用しています。

そして、古くからある「いじめ」が今ではSNS上で行われるようになっていて深刻な問題として注目され始めています。SNSでのいじめや嫌がらせがきっかけで、自ら命を絶つ人たちが後を絶たないのです。

特に、最近はコロナの影響で大人だけはなく子どもたちも大きな不安やストレスを抱えていて、そのストレス発散のためにSNSで誹謗中傷やいじめ、嫌がらせをしているケースも多くなっています。

今回は、SNSいじめの実態や見過ごしてはいけないSNSいじめの問題点、もしもSNSいじめの被害者になってしまったときの対処法について詳しく解説していきます。

Contents

SNSいじめとは

SNSいじめとは、インターネット上のSNSを通じて行われるいじめや嫌がらせのことです。これまでの対面で行われるいじめに対して殴られたり、物を壊されたりということがないため、周りが気付きにくいという特徴があります。

SNSいじめに利用される可能性があるのはTwitterInstagramLINE、ブログなどです。また、ネット掲示板やメールなどが使われることもあります。

コミュニケーションツールとして多くの人に利用されているLINEではグループチャットから外されてそこで悪口をいわれる「LINE外し」が問題になっています。

さらにいじめがエスカレートすると、ターゲットの子どものSNSアカウントを匿名掲示板で晒したり、本人になりすまして書き込みをしたりなど、より陰湿ないじめ行為がなされるケースもあります。

SNSいじめはなぜ問題なのか

いじめ問題は古くから存在していますが、SNSが絡むいじめはより深刻で陰湿なものになっています。これまでのいじめとどう違うのか、そして、なぜより深刻な問題になっているのでしょう。

SNSいじめの大きな問題点

SNSいじめの大きな問題点としては、ネット上の閉ざされた環境で行われるということでしょう。そのため、周囲の大人や先生たちはなかなか気づきにくいです。

また、SNSの隠れたところで悪口を書かれていることを、何かのきっかけで本人が知ってしまったときのショックも相当なもので、パニック状態になり、人間不信に陥り、不登校になったり自殺を考えてしまったりするケースが非常に多いという問題もあります。

SNSいじめとこれまでのいじめの違い

SNSいじめはこれまで行われていたような対面のいじめよりも同調する空気が作られやすく、気軽な気持ちでいじめに参加してしまう子どもも多いという特徴があり、短期間でいじめがエスカレートしていってしまいます。

そして、SNSの匿名アカウントで誹謗中傷をされてしまうと、いじめてくるのが誰かわからず翻弄されてしまいます。

これまで対面で行われていたようないじめは、体に痣ができてしまったり、持ち物を壊されたりして、親や教師がいじめに気がつきやすいですが、一方でSNSのいじめは周りの子供ですらいじめに気がつかないことも多いです。

LINEでのいじめは特に閉鎖された中で誹謗中傷や仲間外れなどが行われるため、本人以外が気づけない状況が多く、対応が遅れてしまいがちなのです。

SNSいじめの加害者側の認識

SNSいじめが大きな問題になっている理由として、いじめの加害者側の認識がこれまでと違っているという点も挙げられるでしょう。

SNSいじめの場合はいじめている加害者から相手が苦しむ姿が見えないため、「いじめている」という感覚がわいてこないという違いもあります。

これまでのいじめとは違い、SNSの世界では面と向かうこともないため、相手の様子を気にせずにいじめを行うことが可能になってしまうのです。また、直接言葉にして伝えることと、SNS上で文字にして伝えることでは、気持ちの重みも変わってきます。

直接伝えることがためらわれるような酷い言葉や相手を傷つけるような言葉でも、SNSの世界では簡単に伝えることが可能になってしまうのです。

SNSいじめ被害者からのいじめ調査の依頼が急増している現状

当事務所でも近年SNSいじめの被害者の保護者の方からいじめ調査の依頼が急増しています。いじめ調査はこれまでもありましたが、近年はSNSを含めたネット上のいじめに関する調査が増えているのです。

この記事をご覧になっている方の中にも、お子様やご自身がSNSでいじめを受けていて悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。その場合、探偵にSNSいじめ調査を依頼して問題を根本的に解決するということを検討されることをお勧めします。

この章では、いじめ調査について詳しく見ていきましょう。

SNSいじめ調査の調査概要

SNSいじめ調査は、SNS上で行われているいじめに関して、犯人が誰であるのか、どのようないじめが起きているのかという証拠を掴みます。

SNSでは匿名のアカウントでいじめが行われていることも多いため、素人の方が調査しようとしてもなかなかうまくいきません。そこで、SNSいじめに詳しい調査員がアカウント情報や投稿内容を調べて犯人を突き止めるのです。

また、犯人が分かっている場合は、その人物がなぜいじめをしているのかという理由や嫌がらせをしている事実の証拠を掴むことでいじめの根本的な解決を図ります。

依頼者の希望は「いじめを終わらせたい」「いじめの加害者に慰謝料請求したい」「いじめを放置した学校を訴えたい」など様々ですので、調査はそれぞれのケースによって戦略を立てて行っていきます。

SNSいじめの嫌がらせ被害はそのままにしておくと、新たな二次トラブルを招いてしまう可能性が高いため、SNSいじめに気がついたらできるだけ早く調査を依頼して解決に向けて動くべきなのです。

いじめ調査を依頼するきっかけ

SNSいじめ調査を依頼されるきっかけは様々ですが、主に以下のようなきっかけでご依頼される方が多いです。これ以外にも少しでも気になることがあればまずはご相談されることをお勧めします。

【SNSいじめ調査を依頼するきっかけ】

・Twitterに誹謗中傷の書き込みをされた

・学校の裏サイトで悪口を書かれているようだ

・Twitterに殺人予告のような内容の書き込みをされた

・TwitterやFacebookで自分の個人情報を勝手に漏洩された

・Instagramで下着姿の写真を勝手に載せられた

・LINEでグループから外されて悪口を言われている

・子供がスマホを手放さなくなった。いじめを受けているようだ

・子供が常にSNSをチェックするようになって様子がおかしい

SNSいじめは、放置していても収まることはほとんどなく、エスカレートしていって個人情報漏洩などのトラブルにつながることも少なくありません。また、親が介入しても解決は難しく、その後のトラブルを引き起こすこともあり、いじめ問題が長期間長引いてしまう可能性もあります。

早めに専門家に相談し、SNSいじめ調査を行って問題解決に取り組むことで、結果的にスムーズにSNSいじめを終わらせることに繋がります。

SNSいじめの被害者になってしまったときの対処法

もしもお子さんがSNSいじめの被害者になってしまったことに気がついたら、適切な対処法を取るようにしてください。

「いじめはいつの時代も起こっているし、そこまで大げさにしなくても大丈夫」

「そのうちいじめも落ち着くだろう」

と軽く考えるのは危険です。

SNSいじめが原因で自殺している子どもたちが後を絶たないという事実を受け止め、しっかりと対処していかなければ出遅れになってしまうこともありうるのです。この章では、具体的な対処法についてお伝えしていきます。

いじめ調査でSNSいじめの証拠を集める

先ほどの章で、いじめ調査についてお伝えしましたが、SNSいじめの被害に遭っているとわかったら、まずはいじめ調査を探偵に依頼するという対処法をお勧めします。

通常のいじめと違い、SNSいじめは周りの大人が気がつきにくいという特徴があります。いじめの被害者本人も、周りにいじめを理解してもらえないと思っていることもあり、親にも相談しにくくなっていることがあります。

お子さんの様子がおかしい、元気がない期間が長い、と異変に気がついた段階でSNSいじめ調査を検討するのが安心でしょう。

そして、いじめ調査でいじめ被害の証拠や犯人特定の証拠を掴んでもらうことで、その後の対応がスムーズにできます。

子供の味方であることを伝え続ける

SNSいじめを受けている被害者は、周りの人間全員が敵に見えてしまうことがあります。対面では明るく話しかけてくれていたはずの友だちが、SNS上で誹謗中傷を書き込んでいたとわかったり、LINE外しに加担していることがわかったりすると、信じていた友達に裏切られて人間不信になってしまうことは容易に考えられます。

そのため、保護者の方が「私たちはいつでもあなたの味方だよ」「何があっても守ってあげるからね」と親だけは絶対に子供の味方でいるということを何度でも伝えてあげてください。

誰のことも信用できず孤独だと感じているいじめの被害者にとっては親からのそのような言葉で勇気づけられることも多いのです。

学校に相談する

SNSいじめに気がついたら、学校に相談することも必要です。学校によってはSNSいじめについての対策に力をいれていたり、調査に協力してくれたりする学校もあります。

学校に相談する際は、SNSいじめ調査で入手したいじめの証拠を提示することでよりしっかりと対応してもらえる可能性が高くなります。

また、万が一学校がSNSいじめについて否定したり対応に協力してくれなかったりする場合は、学校側にも責任があると考えられますので慰謝料請求の対象として考えていくことも可能です。

警察に相談する

SNSいじめの内容が、殺人を予告するようなものだった場合は、警察に相談しておくことも大切です。また、いじめを受けたことが原因でお子さんが家出していた場合も警察に相談して捜索願を提出しておくようにしましょう。

警察に相談する場合も、SNSいじめについての証拠を持っていくことですぐに対応してもらえる可能性が上がります。

慰謝料請求を検討する

SNSいじめを受けたら、慰謝料請求を検討するという対処も有効です。慰謝料請求というと大げさな対応に思えてしまうかもしれませんが、慰謝料請求をして謝罪の意を見せてもらうことでいじめを受けた被害者のメンタルを守ることにもつながります。

慰謝料請求する対象としては、SNSいじめの加害者と、学校がSNSいじめを黙認していた場合は所属する学校への請求が考えられます。慰謝料請求については裁判でも有効と判断される客観的な証拠が必要になりますので、いじめ調査が必須になるでしょう。

また、慰謝料請求の手続きについては法的な知識が必要になりますので、弁護士に相談して進めていくことをお勧めします。

SNSいじめの被害者・加害者になることを予防するための対策

SNSいじめは、大切なお子さんがいじめの被害者になる可能性もありますが、無意識のうちに加害者になってしまうことも考えられます。

SNSでのいじめは、相手の反応が見えにくいために相手を傷つけているという認識が薄れ、罪悪感を持つことができないままに加害者になってしまっていることもあるのです。また、Twitterでの誹謗中傷の書き込みをリツイートするだけでも被害者からしてみれば立派ないじめですが、リツイートしている本人はそこまで悪いことをしているという感覚は持てません。

SNSいじめは被害者であっても加害者であっても、早い段階で保護者の方が気付いてあげて守ってあげることが大切です。そのためには、SNSいじめやそれに近しいようなことがあった場合に、子供がそのことを保護者の方との話題に出しやすい、相談しやすいような環境を常に作っておくことが重要なのです。

親子の信頼関係はすぐにできるものではありませんので、日頃から子供とコミュニケーションを取り、少しずつ信頼関係を築いておくことが大切です。

また、SNSいじめから子供を守るための物理的な対策もあります。子供が使用するスマホのデータ通信量や利用状況を保護者の方が把握して常に気にかけてあげていれば、ささいな変化に気づきやすくなります。急にスマホの利用時間が増えたり、データ通信量が増えたりしたら何かしらの変化が起きているということですので注意深く見てあげる必要があるでしょう。

また、スマホを使う時間帯を制限することも効果的です。特に、夜間は使用禁止にするのがいいでしょう。深夜の時間帯は、SNSいじめの加害者の場合、書き込みの内容がヒートアップしやすく、より陰湿ないじめをしてしまいやすくなりますし、SNSいじめの被害者の場合は傷ついたり思いつめたりと過敏に反応しやすくなるとされています。被害者の場合は深夜の時間帯に自殺を考えるようになり、実行に移す準備をしてしまうリスクもあります。

子供のスマホ利用を保護者がモニタリングして、アプリのダウンロードの制限を加えたり、スマホの利用可能時間帯を設定したりするなどの対策を取ることも、子どもをSNSいじめから守るうえで効果的なのです。

まとめ

SNSを含めたインターネット上のいじめ、誹謗中傷は近年大きな社会問題となっています。そして、その問題は子どもたちの中でも広がっています。SNSでのいじめを苦に自殺したり自分を傷つけたりしてしまう子どもは後を絶たず、いじめの存在に気がつくのが遅れてしまうと手遅れになる可能性も高いのです。

SNSいじめに対しては早急に手を打つことがトラブルを食い止める上で非常に重要であり、SNSいじめ調査は今後必要不可欠なものとなっていくといっても過言ではありません。

SNSでのいじめは今後も巧妙化していきますし、陰湿なやり方でされますので、ご家族だけで悩むのではなく、探偵などの専門家に相談しながら一緒に解決していくことをお勧めいたします。