SNSでいじめを受けたら一人で悩まずすぐに相談を|頼れる相談先とは

いじめ問題は昔から存在しますが、最近はSNSやネットを使ったいじめが増えてきており、ますます陰湿(いんしつ)な問題になっています。

 

SNSでのいじめに悩む子供も多く、一人で抱え込んでしまい誰にも言えずに苦しい思いをしている子たちもたくさんいるでしょう。

 

「いじめを受けていることを親に相談したら心配をかけるから言いたくない」

「学校の先生に相談しても軽く流されてしまうのではないかと思って言えない」

など、周りの大人に相談できずに一人で闘っているケースも少なくないと思います。

 

しかし、特にSNSでのいじめは自分一人で解決することはほぼ不可能で、周りの大人の手助けがなければSNSいじめの苦しみから解放されないでしょう。SNSでいじめをされているなと感じたら、勇気(ゆうき)を出して親や先生など周りの大人に相談することが大切です。

 

今回の記事では、最近のSNSいじめについての実態(じったい)や、いじめを受けた時の頼れる相談先について解説していきます。

 

Contents

最近のいじめの特徴とは?

いじめは昔から起きている問題で、今に始まったことではないのですが、最近のいじめには昔からあるこれまでのいじめとは少し違った性質があるようです。

 

最近のいじめはどのような特徴(とくちょう)があるのでしょうか。

 

SNSで目立つ子供がいじめの対象に

昔のいじめは、「運動が苦手」「性格がおとなしい」など、いわゆる弱そうな子供がいじめのターゲットにされる傾向(けいこう)がありましたが、最近のいじめはSNSで目立つような活発(かっぱつ)な子供がいじめの対象にされることが多くなっています。

 

InstagramTwitterではフォロワーが多ければ多いほど良いというような思い込みが多く、投稿(とうこう)に対して「いいね」をたくさんもらうことが正義と思っている子供もたくさんいます。そのため、SNSで目立つ投稿をして「いいね」をたくさんもらっている子供が妬みや嫉妬(しっと)からいじめの対象にされやすいのです。

 

匿名性の高いネットいじめが多くなっている

※匿名性(とくめいせい)とは? 匿名性とは、自分が周りに悪く思われないように自分の身元(みもと)を隠すこと

 

昔からあるいじめは、殴る、蹴る、持ち物を隠すなど周りの人が見てすぐに気づくような方法でいじめが行われることが多かったのですが、最近はネットを使ってのより陰湿(いんしつ)ないじめが増えています。

 

ネット上やSNSでいじめが行われているため、周りの大人が気付きにくい状況になっていますし、インターネットの掲示板や匿名でアカウントを作れるSNSでその匿名性(とくめいせい)を利用し悪口を書き込むいじめも起きています。

 

匿名でいじめを受けてしまうと、被害に遭っている子供は「普段仲良くしてくれている●●ちゃんがもしかしたら悪口を書いている本人かも・・・?」と周りにいる全員を疑ってしまうことになり、人間不信になることも少なくありません。

 

SNSやネットのいじめで逃げ場がなくなってしまう

これまでのいじめは学校や習い事の場で直接行われていたため、いじめに耐えられなくなったら学校に行かず不登校になったり習い事を辞めたりすることでいじめから物理的に逃れることができていました。

 

しかし、SNSやネットでいじめを受けてしまうと、たとえ学校に行かなくなっても、部屋に引きこもっていてもいじめから逃れることができなくなってしまいます。スマホを開けばいじめられていることがわかってしまうので、どんどん精神的に追い詰められてしまいます。

 

SNSいじめの具体事例

SNSTwitterFacebookLINEを含めていろいろありますが、SNSでのいじめにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

現在報告されているSNSいじめの具体例を見ていきましょう。

 

LINE外し

SNSいじめで最も多いのがLINE外しでしょう。多くの方がご存知のようにLINEにはグループLINEといって複数メンバーがチャットや通話ができる機能(きのう)がありますが、LINE外しとは、特定のメンバーをそのグループから仲間外れにするいじめのことです。

 

学校ではクラス全員のグループLINEや仲良しグループのグループLINE、部活仲間のグループLINEなど様々なグループがあると思いますが、特に仲良しグループでのグループLINEでいじめが起きやすいです。

 

グループLINEに最近投稿がないなと思って見てみると、自分以外が全員グループから抜けていて、自分を除いたメンバーだけで新しくグループLINEを作られているというのがよくある手口です。

 

裏サイトに悪口を書き込まれる

学校が公式に作っている学校サイトとは別に、生徒などが作成した非公式サイトであるいわゆる「学校裏サイト」に特定の子供の悪口を書き込まれるようないじめがあります。

 

登録している子供たち全員が見られるサイト上で「●●を無視しよう」「●●ってホントにキモイ」などといじめの指示や誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)、悪口を書き込むのです。

 

このような学校裏サイトは生徒以外の部外者が勝手に見られないようにパスワードを設定されていたり、スマホからのアクセスしか出来なかったり、学校名で検索してもヒットしないように特殊な設定がされていたりするので、親や教師たちがいじめの存在を確認しようとして検索して探しても裏サイトを見つけ出し内容を見るのは簡単ではありません。

 

SNSに誹謗中傷のコメント

InstagramTwitterなどの投稿に対して誹謗中傷のコメントを書き込むいじめもあります。

 

いじめのターゲットの子供が投稿した内容に「ブスのくせにアプリで盛りすぎ」「犯罪者のくせに普通に生活しやがって」などと誹謗中傷のコメントを書き込まれてしまう事例は多くあります。

 

誹謗中傷のコメントがエスカレートしてくると、面白がった他のユーザーが拡散したりしてSNSが炎上してしまい、さらに多くのユーザーに見られてしまうリスクもあります。

 

誹謗中傷のコメントをしてくるアカウントは多くの場合、匿名で作られたアカウントで、素人ではなかなか匿名アカウントの人物が誰かを特定することは難しく、いじめられている子供は周りが全員敵に見えてしまうという辛い状況を味わうことになってしまいます。

 

SNS上に個人情報を無断で掲載される

不特定多数のユーザーが見られるSNSに、無断で個人情報を載せられてしまうといういじめの事例も報告されています。

 

たとえば、顔写真を勝手に載せられた上に実名入りや個人が特定できるような表現でSNSに投稿し、住んでいる場所や過去の生い立ち、過去の写真なども載せられるなどのいじめも起きています。

 

さらに、個人情報を無断で掲載したうえに容姿や性格などを誹謗中傷する書き込みやコメントを載せられるケースもあります。

 

なりすましアカウントで勝手な投稿をされる

いじめのターゲットにされた子供になりすましてSNSのアカウントを作り、その子供の社会的信用を落としめるような投稿をして周りから嫌われるように仕向ける陰湿ないじめもあります。

 

偽のアカウントでSNS上に「暇だから電話してー」「彼氏いるけどもう一人彼氏欲しい」「万引きしてもバレないからいつもやってるよ」などと周りに引かれるような内容を投稿し、電話番号やメールアドレスなどを勝手に掲載されてしまうケースがあります。

 

SNSでいじめを受けたらどこに相談するのがいいの?

ここまで見てきたように、SNS上でのいじめはこれまでの普通のいじめ以上に陰湿(いんしつ)で、周りの大人も気が付きにくいという特徴があります。

 

いじめを受けた子供は「親に心配をかけたくないから」「いじめられていることが知られたら恥ずかしい」などという思いから、誰にも相談できずに苦しんでいることが非常に多いです。

 

しかし、SNSでのいじめは放っておいても改善されることはありませんし、自分の口から周りの大人にSOSを出さなければ気付いてもらえないことが多く、辛い思いをずっとしなければならなくなってしまいます。

 

SNSでいじめをされているなと思ったら、すぐに周りの大人に相談しましょう。周りの大人たちを味方にして、SNSいじめに打ち勝つことが大切です。

 

まずは親や兄弟など家族

いじめを受けたときにまず相談すべきは親や兄弟など家族です。

 

「心配をかけたくないから家族には言いたくない」という気持ちはわかります。そして、自分の大切な子供がSNSでいじめられていると知ったらもちろん心配するでしょう。

 

しかし、家族はあなたがいじめられているのに誰にも言えずに一人で悩んでいることのほうが何倍も心配で避けたい状況なのです。いじめられていることを相談してもらえずショックも受けるでしょう。

 

いじめを受けたら、まず両親や兄弟に話してみるようにしてくださいね。

 

学校の教師

最近はいじめを無くそうという意識が強い学校も増えてきていて、教師たちもいじめに対して敏感(びんかん)になってきています。

 

ニュースなどで「学校や教師がいじめの存在を認めてくれなかったから子供が自殺未遂(じさつみすい)まで追い込まれた」などという報道がされることも多かったため、いじめをされていると相談されたらしっかりと対応するように教師同士でも気を付けている学校が増えているのです。

 

学校の教師にSNSいじめについて相談するのも有効な方法と言えるでしょう。

 

文部科学省の相談窓口

両親や学校の教師に相談するのがなかなかできない場合は、第三者に相談するという方法もあります。文部科学省(もんぶかがくしょう)が運営している『24時間子どもSOSダイヤル』であれば、いつでも、どこからでも相談することができます。

 

夜間や休日でも24時間対応してくれますので、夜に突然不安になって誰かに話をしたくなったときなどに利用するのもいいでしょう。

 

フリーダイヤルは【0120-0-78310】です。

 

まとめ|SNSでいじめを受けたら一人で抱え込まず周りの大人に相談を

SNSは大人子供に関わらず私たちの生活に大きくかかわってきていてSNSがあることで便利になったり娯楽(ごらく)が増えたりといい面もありますが、SNSをめぐっていじめが起きているというのも事実です。

 

もし、今現在SNSでいじめを受けていて、一人で苦しんでいるのであれば、すぐに親や教師など周りの大人に相談しましょう。

 

自分だけでは解決できないことでも、周りの大人たちの力を借りれば適切に対応しいじめ問題を解決してくれるはずです。自分一人で抱え込まないようにしてくださいね。