Twitterの裏アカからの嫌がらせが酷い!対処法と犯人特定までの流れ

Twitterは日本だけでも月間4500万以上のアクティブユーザーがいる巨大なSNSで、利用者が多い分、誹謗中傷や嫌がらせなどのトラブルも多く起こってしまっています。

 

そしてそれらの嫌がらせのほとんどが、メインのアカウントではなく表に出していないいわゆる「裏アカ」を使って行われています。

 

裏アカから嫌がらせを受けてしまうと、いったいどこの誰が嫌がらせをしてきているのかわからず、対処のしようがなく困ってしまう人も多いと思います。

 

そこで今回は、Twitterの裏アカから嫌がらせを受けた場合の適切な対処法や、裏アカから嫌がらせをしてくる犯人を特定する方法、そしてTwitterで嫌がらせを受けた時に相談すべき頼れる専門家について解説していきます。

 

Contents

Twitterの裏アカとは

まず、そもそも裏アカとはどのようなアカウントのことを言うのでしょうか。

 

裏アカ(裏垢)とは「裏アカウント」の略で、TwitterなどのSNSで自分のアカウントとして開設した本来のアカウントとは別に、秘密裏に設けた匿名アカウントのことを指しています。

 

裏アカを作る目的としては、自分だと周りにバレるのを防ぎながら第三者への誹謗中傷や、差別的発言、倫理に反するような言葉や画像を投稿することが主な目的となっているユーザーが多いです。

 

自分自身だと周りにわからせないようにアカウントを作成しているため、このような裏アカを持つユーザーから嫌がらせを受けても誰から嫌がらせをされているのかわからず、一人で抱え込んでしまい問題が深刻化してしまうケースも多いようです。

 

Twitterでよくある嫌がらせ行為とは

Twitterは匿名でアカウントを作れるうえに裏アカを含む複数のアカウントが作れるため、嫌がらせ行為が起こりやすいSNSと言われています。

 

では具体的にどのような嫌がらせが起きているのでしょうか。

 

攻撃的なコメントをされる

投稿するたびに毎回攻撃的なコメントを書き込まれる嫌がらせは珍しくありません。また、ターゲットとしているユーザーのフォロワーや自分のフォロワーに対して嫌がらせを仕向けるようなことをする陰湿な嫌がらせ行為もあります。

 

DMなどで誹謗中傷される

Twitterには周りには見られない直接のやり取りをするためのダイレクトメッセージという機能があります。

 

このDM機能を使って周りに見られない状況で誹謗中傷のメッセージを書き込んでくる嫌がらせ行為をする裏アカもあります。Twitter上で多くのフォロワーがいるような人はこのような嫌がらせを受けることが多いかもしれません。

 

個人情報を勝手に公開される

ターゲットとしているユーザーの本名や住所、銀行口座番号やクレジットカード情報、電話番号、メールアドレス、公的な身分証明書などの個人情報を無断で公開するような嫌がらせはプライバシーの侵害行為にあたります。

 

ターゲットの個人情報を知っている人ということなので、ある程度は嫌がらせしてきている人物が誰なのか想定ができるかもしれませんが、それでもやはり裏アカだと自力で犯人を特定することは難しいでしょう。

 

アダルトコンテンツやグロテスクな画像をDMで送る

男女の陰部の写真や性行為中の写真や動画などのアダルトコンテンツ、事件や事故によって死亡してしまった人の姿が映っているグロテスクな画像など目にしたくないような画像や動画をDMで送ってくるような嫌がらせもあります。

 

他のユーザーになりすます

勝手に特定の他人や企業などの組織を名乗ってアカウントを作成し、あたかもその本人や企業であるかのように振る舞うなりすましも立派な嫌がらせです。

 

なりすました裏アカでターゲットの評判を下げるような投稿を続けていれば、実際には何もしていないのにそのユーザーの社会的評価が下がってしまう恐れがあります。

 

このような嫌がらせは有名人やフォロワーの多いユーザーが多く被害を受けています。

 

Twitterの裏アカから嫌がらせを受けた場合はどう対処すべき?

Twitter上で嫌がらせを受けることは決して珍しいことではありませんが、いざ嫌がらせを受けるとどう対処していいかわからず悩んでしまうかもしれません。

 

もし自分自身や家族、友人がTwitterで嫌がらせを受けてしまったら以下のように対処していくようにしてください。

 

誹謗中傷のツイートは削除依頼をする

今受けている嫌がらせが誹謗中傷のコメントや悪口の投稿である場合はすぐに削除依頼をしましょう。

 

Twitter上で晒されている誹謗中傷は削除しなければ、時間が経つにつれてさらに拡散され、被害が広がってしまう可能性があります。

 

削除依頼の方法としては、Twitter社に通報することで誹謗中傷の投稿やコメントを削除できる可能性があります。通報したからといって必ず削除してもらえるわけではなく、誹謗中傷の投稿内容がTwitterの利用規約や法令に違反していることが必要です。

 

もし誹謗中傷などの嫌がらせを受けている場合はこちらのフォームから通報するようにしてください。

 

なお、Twitter社に通報しても削除されないケースもあります。削除してくれるかどうかはTwitter社の判断となるため、利用規約や法令に違反していないと判断されれば削除対応はしてもらえないです。

 

その理由としては、Twitter社にとっては裏アカで誹謗中傷するようなユーザーも利用者の1人ということに変わりはなく、過度に規制して削除対応ばかりをしてしまうと利用者を減らしてしまうリスクが考えられるからです。

 

もしTwitter社に通報をしても削除されない場合は「削除の仮処分」という法的対処を検討してみてください。仮処分とは、裁判の前に裁判に勝訴したときと同様の状態を仮で確保することができる手続きのことです。

 

通常の民事訴訟では時間がかかってしまうため、誹謗中傷の投稿がさらされ続けてしまいますが、削除の仮処分であれば短期間で対応してもらうことができます。法的対処となると一気にハードルが上がってしまうかもしれませんが、ネットトラブルに強い弁護士や探偵に相談しながら進めていけば安心でしょう。

 

犯人を特定する

無事に誹謗中傷の投稿が削除できたとしても、それで安心とは言い切れません。

 

誹謗中傷ツイートが削除されて、問題の裏アカを凍結してもらっても、そのような嫌がらせをする犯人は懲りずにまた違う裏アカを作り、誹謗中傷を繰り返したり、嫌がらせがエスカレートしてあなたの個人情報を晒したりするなどの行為も考えられます。

 

そのようなさらなる嫌がらせを防ぐためには、きちんと犯人の身元を特定しておく必要があります。犯人の特定方法については次の章以降で詳しく解説していきます。

 

場合によっては法的措置を検討する

嫌がらせの犯人が特定できたら、場合によっては法的措置を取ることも可能になります。誹謗中傷ツイートによって社会的信用を失ったり、金銭的な損失が出てしまったりしているような場合は責任追及を検討すべきでしょう。

 

責任追及としては民事訴訟と刑事告訴の2つの方法が考えられます。

 

民事訴訟では裁判所に損害賠償請求を提起することで、あなたの名誉やプライバシー権などを侵害したことに対して慰謝料請求することができます。いきなり訴訟となると時間もお金もかかってしまうので、まずは任意の支払いを求め、犯人が応じない場合に訴訟を起こすようにするといいでしょう。

 

刑事告訴では、嫌がらせをした犯人を警察に通報して逮捕してもらったり、刑事告訴をして刑事罰を与えてもらったりという対応が可能です。

 

刑事告訴をする場合は、警察に被害届や告訴状を提出する必要があります。なお、警察は被害の証拠や誹謗中傷に該当することを証明できる証拠がないと動いてくれませんので、事前に証拠を用意しておきましょう。誹謗中傷と思われる投稿のプリントアウトやスクショなど、明確にわかる証拠を用意してから警察に相談するといいでしょう。

 

裏アカからの嫌がらせでも犯人を特定することができる!?

裏アカから嫌がらせを受けていると「アカウントからの情報ではいったいどこの誰だかまったくわからない・・・」「嫌がらせの犯人がわからないから泣き寝入りするしかない」と諦めてしまう人も多いでしょう。

 

しかし、裏アカからでも犯人を特定することは可能です。

 

どのように犯人を特定していくのかというと、Twitterの投稿に利用された「IPアドレス」の記録を利用していきます。IPアドレスとは、パソコンやスマホなどのネット機器に振り分けられた識別番号のことです。

 

まずは、Twitterの投稿に利用されたIPアドレスから、そのIPアドレスを管理するインターネットプロバイダを特定します。IPアドレスから特定したインターネットプロバイダに、そのIPアドレスを利用した人物の契約者情報の開示を求めることで、身元の特定が可能になるのです。

 

より詳しい流れについては次の章で解説していきます。

 

裏アカであっても犯人の特定が可能であることは確かですが、Twitter社に対してIPアドレスの開示を請求するには、「いつ」「なんというアカウントから」「どのような誹謗中傷を受けたのか」という証拠が必要ですので、嫌がらせの裏アカが削除されてしまう前にすぐに行動に移すことが大切です。

 

また、Twitter社で保管しているIPアドレスなどのログは一定期間のみで、その保管期間を過ぎてしまうと記録が削除されてしまいます。問題の嫌がらせ投稿から時間が経ちすぎてしまうと、犯人の身元特定が困難になってしまうので、できるだけ早く対処していくようにしましょう。

 

発信者情報開示請求で犯人を特定するまでの大まかな流れ

前の章で、匿名の裏アカであっても嫌がらせをしてきている犯人の特定が可能であることはすでにお伝えしました。

 

この章では、もう少し詳しく犯人を特定するまでの流れを解説していきます。

 

Twitter社に依頼してIPアドレスを入手しプロバイダを特定

匿名の裏アカのユーザーを特定するには、まずTwitter社に「発信者情報開示請求」を行い、IPアドレスやタイムスタンプを入手していきます。

 

IPアドレスやタイムスタンプはネット上でのいわゆる足跡のようなもので、IPアドレスとタイムスタンプがわかれば嫌がらせをしてきた犯人が利用しているプロバイダを特定することができます。

 

なお、発信者情報開示請求は裁判所で申し立てをしなければいけません。ご自身だけでは不安だと思いますので、弁護士に相談しながら進めていくのがベストでしょう。

 

プロバイダに対して通信ログの保存請求

プロバイダが特定できたら発信者情報消去禁止の「仮処分」を行って、通信ログを削除せず保存しておくことを請求します。

 

プロバイダは通常、ツイートが行われてから36か月程度が経過すると発信者に関する情報を消去してしまいます。消去されてしまうと、その後に発信者に関する情報の開示命令が出てもすでに削除されていて開示してもらえなくなってしまい、結果的に犯人を特定することが不可能になってします。

 

そうなることを防ぐために、投稿者に関する情報を保存しておくようにということを裁判所から命じておいてもらいます。

 

プロバイダに対して発信者情報開示の訴訟を提起

仮処分によって投稿者に関する情報が保存されたら、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行って氏名や住所など犯人を特定するために必要な情報を入手していきます。

 

できればプロバイダに任意で開示してもらえれば時間的にも費用的にも節約できるのですが、多くの場合、拒否されてしまいますので、プロバイダのある場所の地方裁判所で「発信者情報開示請求訴訟」として提起していくことになります。

 

無事、判決によって開示が認められれば、プロバイダから犯人に関する

・氏名

・住所

・電話番号

・メールアドレス

の情報を開示してもらえます。

 

これらの情報がわかれば個人を特定することができますので、損害賠償請求や刑事告訴を進めることができるようになります。

 

Twitterで嫌がらせをする犯人の特定は専門家に依頼するのがベスト

Twitterでの嫌がらせ行為は後を絶たず、多くの人が悩まされている問題です。裏アカからの嫌がらせだと、犯人を特定できないと考えて諦めてしまう人も多いですが、犯人の特定においては専門家に相談することでスムーズに解決していくことが可能です。

 

ここでは、嫌がらせを受けた時に頼りになる専門家をご紹介していきます。

 

ITに強い弁護士

発信者情報開示請求などの法的手続きは素人ではなかなか難しいものがあるでしょう。また、犯人を特定できた後も損害賠償請求や慰謝料請求などの民事的な処理を考えていくのであれば、弁護士への相談がベストと言えます。

 

警察

Twitterでの嫌がらせ行為が単なる嫌がらせを越えて名誉毀損などの犯罪に該当する場合は警察への相談を検討してください。

 

誹謗中傷のツイートが存在することであなたの社会的・経済的な信用が失われてしまうような場合や、DMなどで脅迫のようなメッセージが送られ生命に危害が加えられるおそれがある場合などは警察への相談をおすすめします。

 

ネット調査に強い探偵

弁護士に相談して損害賠償請求する場合も、警察に相談して告訴したい場合も、嫌がらせ行為を証明できる証拠が必要になることがあります。

 

法的に認められるような証拠をご自身で入手することはかなりハードルが高いので、もし難しいような場合はSNSやネット調査に強い探偵に相談してみるのがいいでしょう。

 

ネット調査に詳しい探偵であれば、発信者情報開示請求などを行わなくてもTwitter上の言動や投稿内容、フォロワー、フォローの情報から個人を特定できる場合もあります。

 

裁判所への提訴などは少し気が引けてしまうという方はまずネット調査で犯人を調査してみてもいいかもしれません。

 

まとめ

匿名のアカウントである裏アカからの嫌がらせであっても、Twitter社にIPアドレスが保管されている期間であれば犯人の特定は可能ということがおわかりいただけたかと思います。

 

ただし、IPアドレスが保管されている期間は限られているので、嫌がらせを受けたらできるだけ早く対応していくことが大切です。

 

Twitterを含めSNS上のトラブルは放っておいても解決することは難しく、逆に炎上トラブルなどにつながり被害が大きくなることも珍しくありません。

 

嫌がらせを受けてしまったら一人で抱え込まず、まずはネットトラブルに強い専門家に相談してみるといいでしょう。