SNSいじめから大切な子供を守るために親が知っておくべき対処法

近年はインターネットがより普及していて、高校生だけでなく小学生や中学生でもスマートフォンを持つようになりました。そして、スマホを持つ子供たちが夢中になっているのが「SNS」です。

 

SNSでは友達同士で近況を報告し合ったり自分の趣味についての投稿ができたりと楽しく使う分には素晴らしいものですが、実際にはSNS上でいじめが起きているのもまぎれもない事実です。

 

SNSいじめに対してしっかりと対処し、大切なお子さんを守っていくためには、まず親と子供で問題点を共有し、一緒に闘っていくことが何より大切です。

 

なぜなら、SNSいじめの被害に遭っている子供の多くが、両親には打ち明けていない、打ち明けられない状態になっているからです。「親に心配をかけたくない」「いじめられていることを恥ずかしくて言えない」と感じていて、両親にも兄弟にも相談できていないケースが非常に多いのです。

 

SNSいじめからお子さんを守るためには、まず親御さんがお子さんの変化に気づき、いじめを受けている可能性はないか、どんなイジメを受けているのか、いじめの加害者は誰なのかを正確に把握していくことが解決の近道です。

 

今回は、SNSいじめの概要やSNSいじめの問題点、お子さんがいじめに遭っているとわかったときの効果的な対処法についてお伝えしていきます。

 

Contents

子供が巻き込まれる可能性のあるSNSいじめとは

SNSいじめとは、インターネット上のSNSTwitterFacebookLINEなど)を通じて行われるいじめや嫌がらせのことです。

 

具体的なSNSいじめの事例について見ていきましょう。

 

LINE外し

今や友達同士のコミュニケーションツールとして欠かせなくなっているのがLINEです。LINEは大人だけでなく子供たち同士のコミュニケーションツールとしても広く使われています。

 

そして、そのLINE上でもいじめが起きています。

 

LINEには複数のユーザーが参加してチャットや通話ができるグループLINEという機能がありますが、いじめのターゲットをそのグループLINEからわざと外すという「LINE外し」と呼ばれるいじめが起きているのです。

 

主な手口は、強制的にいじめのターゲットをグループLINEから退出させるケースと、ターゲット以外の子供たちで申し合わせて別の新しいグループLINEを作ってターゲットとなっている子供を知らないうちに仲間外れにするというケースがあります。

 

後者の場合、「最近あんまりグループLINEに投稿がなくなったな」と不思議に思ったいじめのターゲットが、グループLINEのトークルームを開いてみると自分以外が全員退出していていじめを受けていることに気が付くことになるので、そのときのショックは相当大きなものになるでしょう。

 

なお、LINE外しでターゲット以外の子供たちで作られたグループトークではターゲットとなっている子供の悪口が溢れかえることになります。

 

ストーリーズで悪口を投稿

InstagramFacebookにはストーリーズ、Twitterにはフリートという24時間で自動的に消える投稿機能があります。

 

これらの機能を使って、じっくり見ないと気が付かないくらいの目立たない小さい文字で、気に入らないターゲットの子供についての悪口を書くいじめもあります。

 

どうせ24時間経てば消える、どうせ誰も見ていないだろうという気安さもありますし、いじめの証拠が残らないと考えて、つい加害者がストレスをぶつけるために投稿してしまうのでしょう。

 

しかし、いじめを受けている子供からしてみればその投稿を見てしまえばかなり辛い思いをすることになります。

 

SNSアカウントのなりすまし

TwitterInstagramは複数のアカウントが作れますし、本名ではなく匿名でアカウントを作ることができます。

 

その機能を利用して、いじめのターゲットになりすましてSNSアカウントを作り、勝手に投稿していじめを加速させるケースもあります。

 

いじめのターゲットになりすまし、SNSで「テストでカンニングしてやったー」「万引きしたけどバレなかった!」「●●うざい、キモイ」などと周りの子供たちがその投稿を見たら信用を失ったり、嫌われていると勘違いしたり、倫理的に引かれたりするような投稿を繰り返し、ターゲットの子供を孤立させるという陰湿なやり方です。

 

SNSいじめの問題点とは

いじめという時点で問題があることは間違いないのですが、SNSいじめはこれまでのいじめ以上に多くの問題をはらんでいます。

 

SNSいじめならではの問題点はどういうところにあるのでしょう。

 

周りの大人が気付きにくい

従来のいじめであれば、学校内で仲間はずれにされていたり、集団で無視されていたり、殴る蹴るという被害を受けていたりと、周りの大人が気付きやすかったため、対応もすぐに取れていたでしょう。

 

学校の教師が教室内の様子のおかしさで気が付いたり、痣を作って帰ってきたり持ち物を隠されて無くした子供の様子で両親が気付いたりしていましたが、SNSいじめは、クローズドな環境で行われることが多く、親や教師でもなかなか気づきにくいのです。

 

そのためいじめの存在自体が発覚しにくく、発覚した時にはSNSいじめがエスカレートしていて被害者の子供の精神状態もかなり深刻な段階になっていることも珍しくありません。

 

傍観者が加害者になりやすい

SNSに投稿したり、誰かの投稿にコメントをしたりという行為は、今の子供たちは日常的に行っていることです。そのような投稿やコメントで特定のターゲットの悪口を書いたり誹謗中傷を投稿したりするのがSNSいじめです。

 

しかし取っている行動自体は普段からしていることと同じなので加害者意識を持ちにくく、傍観者が加害者になりやすいのです。

 

Twitterのリツイート機能のように、誰かの投稿を簡単に拡散させることができることも加害者になっているという意識を感じさせずにいじめに加担してしまう原因になります。

 

また、いじめのターゲットの子供を除いた人たちで構成されたグループLINEへの参加も、積極的にいじめをしようとしていない子供たちは「招待されたから参加しているだけ」という認識でしょう。


しかし、いじめを受けている側からすればLINE外しを主導しているのが誰かわからないため、自分が外されたグループLINEに参加している人たち全員が加害者のように見えてしまい、周りの友達全員が敵に思えてしまいとても辛い思いをします。

 

いじめの被害者がいじめから逃げられない

今までのようないじめであれば、学校から帰ればいじめてくる子供たちから物理的に離れられますし、転校してしまえばいじめから逃げることができます。転校までしなくてもしばらく学校を休むという手段を取ることもできるでしょう。

 

しかし、SNSいじめにはそもそも物理的環境がないため、家に帰ってこようと学校を休もうと、いじめから逃れることができなくなってしまいます。24時間、SNSを開けば自分がいじめられていることを突き付けられて苦しめられるのです。

 

さらに、加害者から書き込まれた誹謗中傷の投稿はたとえ転校したからといって消えるものではなく、ネット上に残り続けて被害者を傷つき続けるのです。

 

子供がSNSいじめの被害に遭っているかどうかを見極めポイント

お子さんがSNSいじめを受けているかどうか、気が付くのが難しいということはすでにお伝えしました。

 

身体に痣ができるわけでもなく、持ち物を最近やたらと無くしているというようないじめの兆候もないので両親でさえ気が付くのが難しいのです。

 

しかし、子供がSNSいじめに遭っているときの兆候は、さまざまなところに表れます。以下のような兆候が見られたらSNSいじめに遭っている可能性を考えてみてください。

 

・スマホの通信量が異様に増えている

・着信音を無音にするようになった

・トイレや風呂にまでスマホを持ち歩くようになった

・SNSを常にチェックしている様子だ

・スマホの画面を親に見られないように画面を極端に隠す

・深夜にもSNSを見ていて明らかに寝不足になっている

 

これら以外にも、最近注意散漫になった、集中力がなくなったなどの様子の変化があればいじめの存在を疑ったほうがいいでしょう。

 

大切なお子さんがSNSいじめに遭ったときの対処法とは

SNSいじめは誰でも被害者になってしまうリスクがあります。もしも大切なお子さんがSNSいじめに遭っているかもしれないと感じたら、どのように対処すればいいのでしょう。

 

ここでは、親御さんが絶対に知っておくべき対処法について見ていきましょう。

 

いじめの証拠を押さえる

SNSの投稿にお子さんの悪口や誹謗中傷の書き込みがされているのを発見したら、必ずスクリーンショットを取って証拠として保存しておきましょう。それと同時に加害者のアカウント名やIDも記録してください。

 

匿名のアカウントであってもプロの調査員が調査すれば加害者を特定できる可能性がありますので、必ず記録してください。

 

運営会社に削除依頼をする

証拠として投稿内容の記録ができたら、SNSの運営会社に連絡し、投稿の削除依頼をしてください。

 

SNSで誹謗中傷などの投稿がされると、それを面白がった人が他のSNSに転載したり、リツイートしたり拡散されることもあります。そうなってしまうと、お子さんに関する誹謗中傷の投稿がどんどん拡散されてしまい被害はどんどん大きくなってしまうので、できるだけ早く大元の投稿を削除して人目に触れない状態にすることが大切です。

 

学校に報告する

SNSいじめの加害者が学校の同級生というケースは多いと思いますので、いじめに気が付いたら学校にも報告してください。

 

学校が適切に対応してくれるかどうかはケースバイケースですが、SNSいじめの存在を教師が把握しているかいないかで学校内でのいじめ予防に大きく関わってきます。

 

弁護士に相談する

学校側の対応は期待できない、いじめ加害者の親と交渉したいけどどうやっていいのかわからないという場合には、弁護士に相談するという方法もお勧めです。

 

弁護士に相談するだけでも問題点がハッキリしますし、法的観点から解決に向けてのアドバイスをもらえるでしょう。加害者の親とどう交渉していけばいいか、学校に適切に対応してもらうためにはどういう証拠を押さえるべきかなどの相談もしてみるといいですね。

 

いじめが深刻なら相手に対して法的措置も検討する

SNSいじめでは「バカ」「死ね」くらいの悪口が書かれるだけでなくもっとひどい屈辱的なことや、親の想像を超えるような陰湿なことが書かれている可能性もあります。

 

SNSいじめを受けたときには、いじめに当たる投稿を削除することはもちろん大切ですが、いじめの深刻さによっては刑事告訴や慰謝料請求などの法的措置を検討することも必要になってくるでしょう。

 

慰謝料請求をすれば加害者はいじめの深刻さを理解するはずですし、慰謝料とともに謝罪をしてもらえば、いじめの被害を受けた子供の心の傷も少しは癒えるはずです。

 

法的措置を取る場合は、いじめの決定的な証拠や犯人の特定が必要になりますので、証拠集めを徹底して行うことが大切です。証拠集めはSNS調査に強い探偵に相談し、調査してもらうのが確実でお勧めです。

 

まとめ

SNSいじめに限らず、いじめの対処において重要なのは、いじめ問題を甘く見ないこと、いじめられているお子さんの小さなサインを逃さないことです。

 

そして、SNSいじめが発覚したらすぐに投稿の削除要請をすることやいじめの証拠を集めることも大切です。SNS上のいじめでの証拠集めは素人では難しいため、SNS調査のプロに相談するようにしましょう。

 

対応が早ければ早いほどいじめ問題の解決の糸口もすぐに見つかるはずです。当事務所でもSNSいじめのご相談は数多くお受けしておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。