SNS炎上被害を拡大させている犯人が意外?SNS炎上への適切な対処方法

TwitterやInstagramYouTubeなどのSNSで多くのユーザーから共感を得るような内容の投稿をし、何万ものユーザーからリツイートや拡散をされて話題になることを「バズる」と言います。

 

この「バズる」は有名人や有名になりたい人、企業なども狙っていることですが、その思いが強すぎて過激な投稿をしてしまい、悪い形でバズってしまうことも少なくありません。そしてその悪い形でのバズることを炎上と呼んでいます。

 

また、狙っているわけでなくても投稿内容が意外性のあるものだったためにSNSで炎上してしまったり、愚痴程度で投稿したつもりの誹謗中傷の内容が炎上してしまったりということもあるので、SNSの炎上トラブルは私たちの身近なトラブルということができるでしょう。

 

今回は、SNSでの炎上トラブルについて、炎上を引き起こしている意外な犯人像や、炎上が起きてしまう理由や炎上しやすい投稿の特徴、そして炎上トラブルに対しての適切な対処法などをまとめていきます。

 

Contents

SNSでの炎上トラブルを拡大させている人物像が意外!?

炎上につながる拡散は一部のユーザーだけが行っている

SNSの炎上トラブルは、拡散させる人がいなければ起こりうることのないトラブルです。

 

そして、その拡散させている人はそれぞれ違うアカウントなのでかなり大勢の人が拡散させているように感じますが、多くのケースでほんの一部のユーザーが拡散を行い、炎上トラブルにつなげていると言われています。

 

では、どのような人物が不必要なまでに拡散を行って炎上トラブルを引き起こしているのでしょうか。

 

炎上参加者の犯人は男性で高収入のエリート!?

SNSで炎上を引き起こしている人物のイメージとして、多くの人が「引きこもりの人かな?」「時間に余裕がある学生かな?」と予想するのではないでしょうか。

 

しかし、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの准教授が男女合わせて4万人に対して行った実証研究では意外な事実が判明しています。

 

データ分析の結果、炎上参加者の7割以上が男性であったと出ています。この研究では4万人のうち男女の割合が同数なので、男性のほうがネット炎上に参加しやすいと言えるでしょう。

 

また、年収について見てみたところ、世帯年収を比較すると、SNS炎上に参加している人の世帯年収は平均して670万円であったのに対し、炎上に参加していない人は平均して590万円であるという結果になりました。つまり、炎上参加者のほうが、世帯年収が80万円も高かったのです。

 

最後に、肩書についての調査では、炎上参加者の肩書の内訳が主任・係長クラス以上が31%、一般社員が30%、個人事業主・店主が9%、無職・主婦・バイト・学生が30%となっていました。一方、炎上に参加していない人の中では、主任・係長クラス以上の役職の人は18%しかいなかったのです。このことから、役職に就いていて責任の重いポジションの人のほうがSNS炎上に参加してしまう傾向にあることがわかるでしょう。

 

SNSの炎上トラブルはなぜ起きてしまうのか

世間を騒がせているようなSNS炎上トラブルはなぜ起きてしまうのでしょう。考えられる原因を見ていきましょう。

 

多くの人が利用しているから

SNSのサービスは今や世界中の老若男女が利用しているものとなっています。日本における利用状況だけを見てみても2019年時点で

 

・LINE:8200万人

・Facebook:2600万人

・Twitter:4500万人

・Instagram:3300万人

となっています。

 

多くの人が利用しているということは、それだけいろいろな考え方や価値観を持っている人、いろいろな立場の人たちが集まっているということです。

 

自分はまったく気にならない投稿であっても、別の人からすると不快だと捉えられ、それがきっかけで炎上に繋がることもあります。

 

利用者が多いということはそれだけ拡散力も強くなるため、炎上が起きやすいのでしょう。

 

多くのSNSが匿名で使えるから

Facebookは実名利用が基本ですが、InstagramTwitterなどは匿名で利用している人がほとんどです。

 

この匿名性から「何を言ってもバレない」「自分が誰か特定されることはないだろう」と考え、現実世界では絶対に口に出さないような卑劣な言葉や過激な言葉でも簡単に投稿してしまうようになるのです。

 

SNSを少し覗けばそのような過激な言葉や罵詈雑言が行きかっているため、それらを見たほかのユーザーも「他の人もやっているから」という安心感が生まれてしまってさらなる攻撃的な誹謗中傷が増えてしまうのです。

 

また、あえて悪口や誹謗中傷を言うためだけの「裏アカウント」を作っているユーザーも少なくないです。有名人や経営者などがそのような裏アカウントで投稿するはずだった愚痴や悪口の投稿を間違えて公開アカウントで呟いてしまったという誤操作によって炎上につながるケースも数多く発生しています。

 

サイバーカスケード現象が起きているから

サイバーカスケード現象とは、少数の意見が先鋭化し、大多数の意見のように見えてしまうという現象のことを指します。

 

最初の章でもお伝えしたように、炎上トラブルはかなり多くの人が参加し拡散させているように見えますが、実は、大きく騒ぎ立てているのはごく一部の人であると言われています。

 

そのごく一部の人が執拗に拡散を繰り返し、騒ぎ立てていることにより、多くの人が同様の意見を持っているという勘違いが起き、炎上をさらにエスカレートしていると考えられます。

 

現代人が多くのストレスを抱えているから

これが一番の原因ともいえるかもしれませんが、現代人が今まで以上の大きなストレスを日々抱えているということがSNS炎上を引き起こしていることにつながっていると言えます。

 

炎上トラブルの参加者が年収が比較的高く、役職についている人が多いという研究結果からも日常的に仕事や人間関係などで多くのストレスを抱えていることが容易に想像できます。

 

現代人すべてのストレスをコントロールすることはできませんが、企業として社員による炎上トラブルを引き起こさないためには、自分の会社の社員だけでもストレス緩和を促す工夫をしたりこまめにコミュニケーションを取って精神状態を把握したりすることが炎上トラブル防止につながるかもしれません。

 

SNSで炎上トラブルにつながりやすい投稿とは

SNSで炎上しやすい投稿にはどのようなものがあるのでしょう。炎上しやすい投稿の特徴を把握しておくことで、ご自身や会社が炎上トラブルに巻き込まれることを未然に防ぐことができます。

 

この章では、これまでに起きた炎上トラブルの事例を踏まえながら炎上しやすい投稿について見ていきます。

 

有名人によるマイナス発言の投稿

有名人のSNSアカウントは多くのユーザーからフォローされていますので、少しでも問題のある不適切な投稿をするとすぐに炎上トラブルにつながってしまいます。

 

これまでだと、ONE OK ROCKの歌手、タカさんが海外公演での日本人ファンに対する不満をSNSに投稿して炎上したり、俳優の伊勢谷友介さんがSMAP解散に対するマスコミの取り上げ方を「どうでもいいこと」と投稿して炎上したりという事例が挙げられます。

 

他にも、モデルの梨花さんが「さいっごのさいごまで本気でむかつく!!!!!!!!!!!」とツイートし炎上した事例もあります。これはおそらく、ダイレクトメッセージを間違って一般の投稿としてツイートしてしまったと言われています。

 

裏アカウントでの自作自演の投稿

裏アカウントは主に愚痴や悪口、誹謗中傷を書き込む専用のアカウントとして利用している人が多いですが、有名人などは裏アカウントを営業活動に使っていることもあります。

 

たとえば、アイドルの指原莉乃さんが、自身の著書宣伝のために裏アカウントでファンを装ってSNSに投稿したことがバレて炎上したことがあります。

 

他にも、間違って裏アカウントにアイドルグループのメンバーの後輩を中傷するコメントを投稿し炎上してしまったHKT48の宮脇咲良さんの事例もあります。

 

企業の公式アカウントでの不適切な投稿

企業がSNSの公式アカウントを持っているケースは増えていますが、企業の公式アカウントも投稿内容に十分注意して運用していかなければ炎上トラブルにつながるリスクが非常に高いです。

 

これまでに起こったことのある炎上トラブルの事例としては、ディズニー公式アカウントが、原爆投下の日に「なんでもない日おめでとう」と投稿して炎上していたり、楽天トラベル公式アカウントが、歌手の柴田淳さんに対し「ぶさいく」とツイートして炎上したりということが起きています。

 

SNSでの定期的な投稿によってマーケティング効果を狙うこともできますが、このような炎上トラブルが発生してしまうと逆に企業の評価が下がったり顧客からの信頼を失ったりというリスクを負うことになります。

 

バイトテロなどの学生による不適切な投稿

一般人でも過激な内容の投稿をすることで炎上につながるケースもあります。中でも、学生たちによる問題行動がSNSに投稿されて炎上したという時期があります。

 

学生がアルバイト中にモラルに欠ける不適切な行動を取り、それをTwitterInstagramなどのSNSに投稿することばブームになりました。SNSに投稿される不適切な行動の多くが学生のアルバイト中に起きていることからバイトテロと呼ばれています。

 

具体的な事例としては、東京都多摩市のそば店でバイト学生が食器洗浄機に入ってふざける姿をTwitterに投稿し炎上したケースや、看護学生が患者から摘出された臓器を撮影してTwitterに投稿し炎上したケースがあります。

 

学生による不適切な投稿なので、「自分もSNSで目立ちたい」という軽い気持ちから投稿してしまった学生が多いかと思いますが、行動の内容によっては業務妨害罪に問われることもあり、SNSでの投稿が証拠となることもあります。

 

SNS炎上トラブルに巻き込まれたらどのよう対処すればいいか?

SNS炎上トラブルは誰にでも、そしてどの企業にも起こりうるトラブルです。できれば炎上トラブルに巻き込まれたくないものですが、もし巻き込まれてしまったらどのように対処していけばいいのでしょうか。

 

この章で具体的な対処法についてご紹介していきます。

 

炎上している投稿を削除する

炎上トラブルは誹謗中傷の内容が投稿されたときに起こることも多いです。有名人についての誹謗中傷や企業についての誹謗中傷などの嫌がらせの内容が、過激で意外性に富むような場合に炎上しやすくなります。

 

有名人にしても企業にしても、誹謗中傷の内容が拡散されてしまうと今後の活動に大きな悪影響が出てしまいますよね。そのため、炎上している投稿をできるだけ早く消去することを考えるべきでしょう。

 

ただし、削除する際には、後々、嫌がらせの投稿をした犯人を特定したり犯人に対して法的措置を取ったりすることになると思いますので、炎上している誹謗中傷の投稿について印刷したりスクリーンショットでデータとして保存したりすることが重要です。証拠を保全したうえで削除の対応をしていきましょう。

 

誹謗中傷の内容の投稿を削除したい場合、その投稿が法律に違反している事を証明できれば、削除する事が出来ます。削除したい投稿がされているSNSのサイトの削除申請専用のフォームに削除したい投稿がわかるように申請すればOKです。

 

万が一削除申請に応じてもらえない場合は、「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」の中に掲載されている「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」の書式を利用し法的に申請を行ってください。

 

 

被害者本人であればこちらの申請が可能ですが、法律の知識を踏まえて記載がされていた方が削除される可能性は高まりますので、削除を円滑に進めるために弁護士に依頼したり、アドバイスを受けたりするほうが安心でしょう。

 

参考記事:プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト

 

炎上の内容を投稿した犯人を特定する

炎上した投稿のせいで個人の活動や企業活動に大きな影響が出てしまった場合は法的措置も検討するかと思いますが、そのためには炎上の内容を投稿した犯人を特定する必要が出てきます。

 

ただし、すでにお伝えしているようにSNSでの投稿は匿名のアカウントでされていることが多いので、素人ではなかなか犯人を特定することが難しいです。犯人を特定するためには「発信者情報開示請求」という手順を踏み、裁判を行うこととなります。

 

発信者情報開示請求は個人でも不可能ではありませんが、手続きが煩雑なうえに法的知識がないとミスをしてしまう可能性もありますので、SNSトラブルに強い弁護士に相談しながら進めていくことをお勧めします。

 

発信者情報開示請求については【発信者情報開示請求して誹謗中傷投稿者を特定しよう!流れとポイント】の記事でより詳しく解説しております。

 

炎上被害の状況によっては法的措置を検討する

誹謗中傷の内容でSNS炎上トラブルを引き起こした犯人に対しては、法的措置を検討する可能性もあるでしょう。

 

法的措置としては、名誉棄損罪・侮辱罪・業務妨害罪などの刑罰を与える刑事責任を問う場合と、損害賠償請求をする民事責任を問う場合があります。

 

これらの法的措置を取る場合は、犯人であるという客観的な証拠とともに、SNS炎上トラブルによる被害状況の証拠が必要になります。

 

法的措置を取るにあたっては、どのような証拠が必要になるかについて、弁護士や証拠収集に強い調査会社に相談するといいですね。

 

自分の投稿が炎上した場合は真摯に対応する

他の人による誹謗中傷の内容が炎上してしまうこともありますが、ご自身のSNS投稿が炎上してしまうこともあるかもしれません。

 

もし自分の投稿が炎上してしまった場合は、真摯に対応することが必要です。

 

特に企業の公式アカウントや芸能人の公式アカウントでは、炎上後の対応によって社会的評価を回復できるか落としてしまうかが決まります。

 

むやみに炎上した投稿を削除するのではなく、それに対して丁寧に謝罪し、何が原因だったのかを冷静に分析するようにしましょう。

 

まとめ|SNS炎上トラブルに巻き込まれたらネットトラブルのプロに相談

他人の投稿が炎上してトラブルになるケースでも、ご自身の投稿が炎上してしまうケースでも、SNS炎上トラブルになってしまったら誰でもパニックになってどう対処していいかわからなくなってしまうことがほとんどだと思います。

 

ご自身のミスであっても、被害者にされてしまった場合であっても、炎上トラブルに対して早急かつ適切に対処していくことが何より大切です。

 

万が一SNS炎上トラブルに巻き込まれてしまった場合は、SNSトラブルに強い専門家にすぐに相談してアドバイスをもらうことをお勧めいたします。