インターネット詐欺の手口と詐欺被害に遭ってしまったときの相談先

私たちの生活に欠かせないものとなっているインターネットですが、近年はこのインターネットを介しての詐欺被害が急増しています。

 

インターネット詐欺の怖さや被るである被害について、頭では解っているようでもなかなかピンと来ない人も多いでしょう。インターネット詐欺の実態について理解が十分でないと、ほんの興味本位で取った行動やわずかな不注意からの行動によって大きな被害に遭い、後悔してしまうことも出てきてしまいます。

 

今回は、インターネット詐欺の種類や主な手口、万が一インターネット詐欺に遭ってしまったときの相談先、そして詐欺犯人を捕まえるうえで有効な手段について詳しく解説していきます。

 

Contents

インターネット詐欺についてのよくある被害相談事例

インターネット詐欺は誰でも被害に遭う可能性のあるもので、日常生活に常に潜んでいる犯罪です。

 

インターネット詐欺に遭ってしまった人から以下のような被害の相談が日々寄せられていますので、身近に潜む恐怖としてしっかりと認識しておくようにしましょう。

 

【よくあるインターネット詐欺の被害相談事例】

・インターネットオークションで商品を落札した、代金も指定口座に振り込んだのに品物が届かず連絡も取れなくなってしまった。

 

・インターネットオークションに品物を出品し、落札者に送付したが、一向に代金が入金されず連絡も取れなくなった。

 

・海外のネットショップで商品を購入し、代金も指定口座に振り込んだのに品物が届かず、サイトも閉鎖されてしまった。

 

・インターネットの出会い系サイトで知り合った人に結婚を前提に付き合ってほしいと言われた後、高額なお金を貸したところ連絡が取れなくなった。

 

・SNSで知り合った人に儲かる副業があると言われセミナーに参加したところ、セミナー費用で10万を取られた。その後副業の実態もよくわからないまま連絡が取れなくなった。

 

 

このように、普段私たちが普通に使っているインターネットのオークションサイトや、SNS、マッチングアプリなどで詐欺被害が起こっています。つまり、いつ誰の身に起きてもおかしくないのがインターネット詐欺なのです。

 

インターネット詐欺の種類とその手口

インターネット詐欺と一口に言ってもその手口は様々です。

 

「こんなやり方で騙してくるのか・・・!」と驚かされるくらいに、インターネット詐欺の手口は日々進化しています。

 

この章では、インターネット詐欺の種類やそれぞれの手口についてご紹介していきます。

 

ワンクリック詐欺

ワンクリック詐欺はインターネット詐欺の代表的なものの一つで、不当請求詐欺とも言われています。

 

アダルトサイトなどで無料サンプルの動画をエサにして、続きを見るためのボタンやインストールボタン、年齢確認のボタンを押させ、押した途端に突然高額な料金の請求をしてくるという手口です。

 

この料金の請求画面は、ブラウザを閉じてもパソコンを再起動しても出続ける場合もあり、被害者は詐欺だと気が付く間もなく焦ってしまいます。

 

また、請求金額も5~10万円程度といった払えなくないくらいの金額を請求してくるため、「家族に見つかりたくない」「誰にも知られずに対処してしまいたい」といった心理が生まれ、詐欺師の思い通りに料金を振り込んでしまうために被害者が続出しています。

 

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、オンライン銀行口座の不正送金の手段として使われている詐欺の手口です。オンライン銀行口座のIDやパスワードを、本物の銀行口座画面にそっくりな偽の入力画面に入力させ、入手したIDやパスワードを使って後から不正にアクセスして送金するのです。

 

最近はパソコンにウイルスを感染させて行う方法が増えていて、正規の銀行サイトにアクセスしている最中に、偽の入力画面を表示することでIDやパスワードを不正入手しているので、ユーザーが気付くチャンスがほとんどないという陰湿な手口になってきています。

 

偽販売サイト詐欺

偽販売サイト詐欺は実体のない偽の販売サイトを使って、ニセモノのブランド品を購入させたり、代金を支払っても商品を送ってこなかったりする手口です。

 

メインは有名ブランドのバッグや財布、高級時計、アウトドア用品などがターゲットにされていますが、最近では家庭用品や飲料品などの被害も報告されています。

 

偽販売サイト詐欺はほとんどが海外の詐欺集団が行っていて、詐欺サイトも国外のサーバーを使っていることが多いです。そのため、日本の警察がなかなか捜査することができず、この手の詐欺に遭ってしまうと盗み取られた金銭を取り戻すことはほとんど不可能です。

 

副業支援詐欺

SNSで知り合った人から副業を紹介されて、詐欺にあうケースが多いのが副業支援詐欺です。

 

詐欺集団は、「あくせく働いていないけれど、お金をたくさん儲けて、贅沢な生活ができて充実しています」と言わんばかりに派手な投稿をSNSで行い、ダイレクトメッセージなどで副業を持ち掛けてきます。

 

そして、必ず儲かるなどメリットばかりを説明されて、高額な情報商材サイトを購入させられたり、高額なセミナーに参加されたりして詐欺被害に遭ってしまいます。

 

SNSで知り合った人に騙されるケースが多いですが、マッチングアプリにもこの手の詐欺師が潜んでいるケースもあります。

 

オークション詐欺

オークション詐欺は、正規のインターネットオークション上で行われている手口の詐欺です。

 

商品を落札して代金を入金したのに商品が届かないケースや、逆に商品を送ったのに代金を支払ってくれないケースなどがあります。

 

ネットオークションは多くの人が利用していますし、大半は問題のないユーザーが多いので気を抜いてしまいがちですが、オークションサイトを利用する際には事前に相手の評価をチェックしておくようにすることが大切です。

 

出会い系サイトのサクラによる詐欺

マッチングアプリを含め、インターネットの出会い系サイトには、少なからずサクラが紛れ込んでいます。サイト運営者が雇っているサクラもいますし、運営側とは関係のない詐欺師がサクラとして混ざっていることもあります。

 

手口としては、一日に何回もメッセージのやりとりをさせて課金ポイントを消費させたり、「もうすぐ退会しなきゃいけないからこっちのサイトで連絡をとりたい」などと言って有料サイトに誘導したりするケースが多いです。

 

サクラによる詐欺は証拠を掴むことが難しいため、立証することが難しく、お金が返ってこないことも多いです。そのため、出会い系サイトを利用する場合は慎重に相手を見極める必要があるでしょう。

 

偽セキュリティソフト詐欺

偽セキュリティソフト詐欺とは、無料セキュリティソフトやサイトにアクセスした際に、「このPCはウイルスに感染しています」「このPCは危険な状態です」などとバナーを表示させ、焦ったユーザーに全く効果のない偽のセキュリティソフトをインストールさせるという手口の詐欺です。

 

全く効果のない偽のセキュリティソフトの購入金額で稼いでいるケースもありますが、多くの場合、偽セキュリティソフトをインストールさせることによって得られたクレジットカード情報を売買することで荒稼ぎすることが多いです。

 

Twitter詐欺

Twitter上で行われる詐欺がTwitter詐欺と呼ばれているものです。詐欺師がダイレクトメッセージでスパムメールや、フィッシング詐欺のURLを送りつけてくる手口がメインです。

 

スパムメールの場合は女性からのアダルトな相談が多く、中にはお金儲けの話から、出会い系サイトへの誘導するものが多いようです。

 

フィッシング詐欺によってあなたのTwitterアカウントが乗っ取られ、あなたの友人たちが詐欺被害に巻き込まれてしまうケースもあります。

 

インターネット詐欺被害に遭ってしまったときの相談先

インターネット詐欺が私たちの誰にでも起こりうる身近な犯罪行為だということはすでにお伝えしましたが、実際にこのような被害に遭ってしまったらどこに相談するのがいいのでしょうか。

 

インターネット詐欺被害に遭った場合は、以下にご紹介する専門機関に相談するようにしましょう。

 

ただし、これらの機関では相談には乗ってくれますし、最善の対処もアドバイスしてもらえますが、多くのケースで被害に遭ったお金を取り戻すのが難しくなってしまうため、インターネット詐欺に遭わないように普段から細心の注意を払ってインターネットを利用することを心掛けることが大切です。

 

警察のサイバー犯罪相談窓口

インターネットの詐欺被害にあってしまった場合は、まず警察の「サイバー犯罪相談窓口」へ相談してみましょう。#9110の短縮ダイヤルまたは通常の「03-3501-0110」にかければインターネットに関連するトラブルについて相談に乗ってもらえます。

 

通常の警察では詐欺被害を立証できない段階ではたとえ被害があったとしても、警察が積極的に動くことはできませんが、サイバー犯罪対策課であれば、適切なアドバイスをもらうことができます。

 

ただし、やはり本格的に詐欺集団を捜査したり被害金額を取り返したりするとなると、詐欺被害の証拠や犯人を特定できる証拠が必要になりますので、その際は探偵などの調査会社に依頼するのがいいでしょう。

 

オークション会社

インターネットオークションにおいて詐欺被害に遭ってしまった場合は、まずオークションサイトの運営会社に相談してみましょう。

 

オークションサイトによっては、詐欺被害に遭った場合の補償がある場合もありますし、サイト側からユーザーに連絡を取るような対応をしてくれる場合があります。

 

国民生活センター

インターネット詐欺に遭った場合は、国民生活センターに相談するという方法もあります。消費者ホットラインの「188(いやや!)」に連絡しましょう。

 

その際、いつ、どんな方法で詐欺に遭い、詐欺師の名前は何か、サイトのURL、被害に遭った金額、相手のメールアドレスなどできるだけ詳しく伝えましょう。画面キャプチャーで記録したものがあれば後々証拠として使える場合もあります。

 

また、フィッシング詐欺などでクレジットカード番号を渡してしまった場合は、できるだけ早くクレジットカード会社に問い合わせてカードを停止、再発行してもらってください。

 

法テラス

インターネット詐欺は詐欺罪という法律に関わることなので、法律の専門家である弁護士に相談するのも有効です。

 

ただ、詐欺被害に遭ってお金をだまし取られたうえにさらにお金を払って弁護士に相談するのは気が引ける・・・という方もいらっしゃると思います。その場合は、「法テラス」に相談をすることをお勧めします。

 

法テラスは国が設立した法律トラブルの解決窓口で、法律の専門家である弁護士を紹介してもらえますし、法律相談は3回までは無料でできます。法テラスの弁護士に法的な観点から有効なアドバイスを受けることができれば、詐欺被害の解決につなげられるかもしれません。

 

ネットトラブルに強い探偵

警察に相談して刑事事件として立件するにしても、弁護士に相談して被害金額を取り返してもらうにしても、詐欺被害を証明できる証拠や犯人を特定できる証拠がなければ、スムーズに動いてもらうことはできません。

 

そして、インターネット上で行われている詐欺だからこそ、犯人を特定できるような証拠は素人ではなかなかつかむことは困難でしょう。

 

そこで頼りになるのがネットトラブルやSNSトラブルに強い探偵です。警察では捜査に踏み切れないケースでも調査の依頼をすれば犯人を特定するために調査をすぐに開始してくれますし、調査能力は警察に引けを取っていません。

 

当事務所もそうですが、最近はSNSトラブル調査に力を入れている探偵もありますので、まずは相談だけでもしてみることをお勧めします。

 

ネット詐欺の犯人について情報がほとんどない場合は探偵への相談がベスト

インターネットオークションサイトでやり取りを交わしただけの相手や、出会い系サイトで知り合いLINEしか知らない相手は、いざ詐欺などのトラブルになってしまうと相手を特定するのが非常に困難です。

 

インターネット上だけの関係性だと情報が少なすぎるために弁護士では相手の特定が困難ですし、詐欺罪が適用できるかどうかの判断も難しいため、警察も捜査に着手できません。

 

そのような詐欺師についての情報がほとんどないケースでは、探偵に調査を依頼する方法が最も有効と言えます。

 

探偵であれば独自のネットワークから手掛かりをつかむこともできますし、ネット上の調査を得意としているので、迅速かつ確実に結果を出すことが期待できます。さらに、被害の状況を調査してもらうと同時に証拠収集も可能になりますので、警察や弁護士に相談する際に強力な証拠を提示することができます。

 

警察や弁護士にはできない臨機応変でフットワークの軽い対応が可能ですので、できるだけ早くに探偵に相談してみることをお勧めします。

 

まとめ

インターネット詐欺に遭ってしまった場合、詐欺師からお金を取り返すためには、詐欺被害を証明することと、犯人を特定することが必須になります。

 

詐欺師についての調査は探偵に任せるのがベストですが、その後民事や刑事で訴えていくことを考えると、警察や弁護士への相談も視野に入れていくことが必要になります。様々な相談先を適切に利用していくようにしましょう。

 

また、詐欺師が逃げてしまう前にいち早く行動を起こすことも大切です。詐欺に遭ってしまったと落ち込んでしまう前に、できることから始めてみてください。